【28.イケメンパラダイス〜なまえ〜】
桃とお菓子と共に皆んながお見舞いに来てくれた日から、1週間が経った。
そして、ようやくキムミからのお許しが出たのである!
スキップしてルンルン気分でエントランスに行くと、大きな背中が見える。
「おはよ!」
MG「おはよ。ご機嫌だな。」
「だって待ちに待った生ビルダーの生ダンスだよ?天使様が踊るとか動画に納めないと。」
MG「俺は納めないの?」
「キムミは何かエロそうだからやめとく。」
MG「どう言う意味!?」
八重歯を出しケラケラと笑ってるキムミ、いや、なんかその長身とゴリゴリの筋肉で踊ってたらなんか見てはいけないものを見てる気分になりそうなのよ。
「まあ気にすんな!気が向いたら応援してやる!」
MG「それはどうも。てか今日めっちゃ暑いから溶けるなよ?」
…え?めっちゃ暑いの?
天気予報見てなかった。
自動ドアがウィーンと開く。
…あ、無理。
MG「おい、何処いくの!?」
「暑すぎて溶けるかと思って!生存本能ってやつが働いた!」
MG「ばか。ずっとクーラーの効いた部屋にいたもんな。まあ、リハビリってことで行くぞ!」
「うぎゃー!!!」
手を引かれ無理矢理外に連れ出される。
うわ、何これ息できなくない!?
皆んな普通に歩いてるんだけど、凄いな。
「太陽さんさんサンフランシスコだね。」
MG「何だよそれㅋㅋㅋ」
そう言えば学校休む前、ビルダーチームが上手くいってないって小耳に挟んだけど、今はどうなんだろ。
もし今もなんかぎくしゃくしてたりするんだったら、私なんかが行くべきじゃないんじゃないか?
しかも、私の知らない人も居るんだよね?
MG「どうした?ボーッとして。まだ具合悪い?」
「大丈夫!私はすこぶる元気なんだけどさ…私が行って本当に大丈夫なのかな?って思って。」
バスに揺られながら、ボーッと呟くとキムミの大きな手が私の頭に乗っかる。
MG「皆んなお前に会えるの楽しみにしてるよ。だから大丈夫。」
それならいいんだけど…。
バスを降りると、懐かしい景色が広がる。
「ねえ!ここ!初めて会ったとこだよね!?」
MG「よく覚えてたな。お前車に轢かれそうになってたよな。」
「その節はお世話になりました…。」
あの時キムミがフード引っ張ってくれなかったら、私はもしかしたらここに居なかったかもしれないんだよね!?
「感謝しております!」
MG「まさかこんな変な奴だとは思わなかったけどな。」
「お?私だってイケメンがこんなに巨人兵だとは思わんかったぞ!」
MG「それは見たら分かるだろ。」
「いや、顔が強すぎてそれどころじゃなかった。」
MG「どう言う意味だよ!おい!」
んぐっ!潰れる!
久し振りにほっぺたがぐっと押し潰される。
「ほめこちょばだ!離せ〜あちゅい〜!」
MG「もっと暑くしてやる!」
「うわ!ちょっと、暑い!重い!でかいて!」
キムミが背後から結構な体重を掛けて寄りかかってくる。いや、まじ潰れるし、わし病み上がりやで?
「朝から鬱陶しいな。」
「暑いよ!」
背後から声がして振り向けば、夏にふさわしく無いくらいの真っ白な肌の天使様と、ソクミンがいた。
「いいとこに来た!この巨人兵をやっつけてくれ!」
MG「あ?なんだって?」
「うぎゃっ!!!ごめんなさい!!!」
やっと巨人兵から解放された。
いや、おい!!!
「何でこんなに汗かいてんだよ!」
DK「ミンギュに潰されてたからね!」
WZ「お前、子供みたいな汗のかきかただな。」
「子供みたいな汗のかき方って何だ!?」
むしろ私よりジフニ!君の方がキッズだぞ!
「うぶっ!」
MG「拭いとけ。」
キムミがタオルを頭からかけてくれる。
いや、それはいいんだよ。
「何でそんなにいちいちバイオレンスなんだよ!もっと優しくどうぞ、ってやれよ!」
MG「あ?なに?もっと優しく?」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべて近づいて来るキムミ。
「や!ごめん!そんなイケメン振り翳して来ないで!」
DK「どう言う意味!?ㅋㅋㅋ」
「助けてくれー!」
WZ「は?バカ!こっち来んな!」
天使様も巻き添いにしたのに、結局キムミに捕まってタオルでガッシガシに顔を拭かれた。
「まじバイオレンス!」
MG「お前にだけだよ!」
DK「おはよー!」
「うぶっ!急に止まるなソクミンよ!」
WZ「ㅋㅋㅋ」
MG「ばーか!」
DK「ごめんごめん!」
天使様に笑われ、キムミにバカにされながら何も考えずにソクミンの後に続く。
「なまえー!会いたかったよー!」
細い目をさらに細めて突進してくるトラになりたいハムスター。
熱い抱擁を交わしたはいいが、キムミや天使様より熱い。
「お?おー!へむちー!って君汗凄いな!」
HS「なまえも人のこと言えないだろ!」
「へへっ!」
JH「俺のこと忘れてない?」
「ジョンハン氏!あー、ジョンハン氏は爽やかだね〜!」
JH「ははっ!元気そうで良かったよ!」
ジョンハン氏とすにょんと話してると、急に頭がずんと重くなった。
「おい、縮む。」
MG「肘掛けに丁度いい高さなんだよ。」
「人を肘掛けにしてはいけません!って習ったでしょ!」
WZ「習わないだろ。」
「キムミは巨人兵だから習っ…だはじゅ!」
もうほっぺた潰されたぐらいじゃやめねーぞ!
SC「お!来てたか!」
「ん?おう!ボス!」
SC「ボスってㅋㅋㅋてか、あいつらとはもう挨拶したのか?」
「へ?」
あいつらとは?
ボスからキムミに視線を移すと、キムミは俺じゃなくてあっちと私の体をグルリと回す。
「見て、自動で動いてる!」
HS「ミンギュが動かしてるの!」
「へへ!」
ピタっと止まった私の目に映るのは、多種多様なイケメン。
「…うわ。」
JH「ふふ!どうしたの?」
「い、い、い、イケメンパラダイスじゃん!!!」
イケナイ太陽〜!
なーなーなーなななーなーなー
なーなーなーなななーなーなー
…私の頭の中に流れたのはもちろん、イケメンパラダイスのあの主題歌だった。
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