【05.タイトスカートは落ち着かない〜なまえ〜】

親父の都合で韓国に来て1週間ちょっと、いよいよ今日から新しい生活がスタートする。

新しい制服に袖を通す。
なんだか恥ずかしいんだけど。

タイトスカート落ち着かないし、日本ではもう高校3年の年になるのに、韓国語がまだまだだからって理由で高校1年からやり直すことになった。

2つ下の子たちと仲良くなれるのかな…。
ばばあは不安だよ…。友達できるかなーチング。

スマホは充電満タン、現金はないけどデビットはあるし、家の住所もバスもバッチリ。
うん、完璧。

「じゃあ父、わしは行って参るよ〜。」
『行けなくなってごめんね!1人で寂しくない?大丈夫?』
「高校2回目の入学式だから平気よ。じゃあな!」

パシンッとハイタッチをして、家を出る。
タイトスカートだと下にジャージ履きづらいじゃん、寒いんだけどどうすればいいのよ。

バスに揺られ、無事学校に到着。
新入生は、皆んな親御さんと来てるから、学校は賑やかだ。

入学式を終え教室にゾロゾロと移動する。

前の席の女の子が勢い良く振り向いて、私の机にある名前をじっと見つめる。

『なまえ?』
「うん!そうだよ!えっとあなたは、…ユ、リ、ユリちゃん?」
『うん!パクユリ!これから宜しくね!』
「こちらこそー!私はみょうじなまえ!あーでも、私ばばあだけどいいの?」

私の言葉にユリちゃんはえ?っと首を傾げる。
だから私が日本から来て、本当は3年の年だけど、韓国語問題で1年からやり直すことを伝えた。

「せっかく声かけてくれたのに、ババアでごめんね!同じ歳の子と友達にならないと!」
『なまえ、実は私もなまえと同じ歳なの。』
「…え!?」

いや、パクユリちゃんだから韓国人だよね?それに不良には見えないってかむしろ、お嬢様だよ!
色白いし!可愛いし!儚い!

『私ね、体弱くてずっと入院してたの。でも去年手術して元気になったから、学校行ってみたくて。だから私もなまえと同じ歳!仲良くしよ!』

ふにゃりと笑うユリは天使様2号です。
くっそ可愛い、何この儚さ、スタイルも良いし。

「私みたいな凡人でいいのかい?」
『ふふ!私はなまえと友達になりたい!』
「女神かよ!これからよろしくね!」

こんな儚い美女と友達になってしまった。
ふふ、ふふふふふ。

教室や廊下色んな所で自己紹介や、再会を喜ぶ声が聞こえてくる。

私は再開する人なんて居ない。
ユリも居ないのかな?

ずっと入院してたって言ってたからいないのかな。
これからは私と一緒に楽しいスクールライフを送ろうぞ!

そのあと、教室の女の子達が自己紹介しに来てくれた。
みんないい子達だなー。まじで。

友達めっちゃ出来たわ!

『じゃあなまえまたね!』
「うん!ばいびー!」

ユリは送り迎えをしてもらってるから、車で帰るみたい。
送るよって言われたけど、高級車に庶民が乗るなんて申し訳なさすぎて断った。

お嬢様よな、やっぱり。
あの雰囲気で庶民なわけがないよな。

うんうん。
さて、庶民はバスで帰ろかね。

寝ないようにバスでしっかり開眼して、無事バスを降りれた。
韓国は先にピってするんだな、教えてくれたおばちゃんカムサ。

「ただいまーって誰もいないよねー。」

カバンを部屋に投げ捨て、制服を脱ぎ、ダル着に着替える。
お母さんにチンして、今日一日の報告をする。

「おー、なー、かー、空いたっ!すいたぼー!って何もないんかい!」

カップラーメンくらい買っといてくれよクソ親父!
あー、そう言えばあのイケメンと天使様1号は元気かな?

同じマンションなのに全然会わないよな。
ま、会ったところで…か…。

よし、コンビニ行こ。





学校が始まって10日が経った。

YR『もー!なまえ!足!』

タイトスカートには今だに慣れなくて、無意識に開いていく自動ドアのような足を、いつもユリが怒りながら閉じる。

そんなお上品に育ってないんだよわしは。

「お昼だー!」
『相変わらずオンニは元気だね!』

クラスの子達が笑ってくれる。
私とユリの歳を話しても、皆んな快く受け入れてくれた。

まあ同じクラスなのにオンニとかヌナって言われんのは照れるけどな。

「今日は何食べようかなぁー!ってユリ様のお口には学食は合うのかい?」
YR『うん、物による。昨日のはちょっと…。』
「ははは!凄い顔してたもんね!」

学食に着き、おばちゃんおすすめセットを頼んで『オンニたちー!』とミンジに呼ばれたから、空いてる椅子に座る。

「では、いただきま…」
『『『ギャー!!!』』』
「え!?何!?ナマハゲでも出たか!?」

急に学食にいる生徒達の悲鳴と言うか雄叫びが響き渡って慌てて顔上げた、雄叫びの方を振り向く。

YR『ナマハゲって何、笑』
「日本の秋田にいる鬼でさ、わりぇこはいねぇ…」
MJ『オンニ!あれが噂の練習生達だよ!』

噂の練習生?はて、何の話だい?
目を細めて見れば、人だかりが出来ている。
おー、トルネード。

YN『やっぱりかっこいいよね。』
MJ『そりゃ練習生だもん!』

ミンジとユナがトルネードを見つめて呟いてる。
トルネードの中心には男の子が3、4人居て、女の子達が群がってる。

あれだな、F4的な感じだな、花男の。
リアルF4。ふふっ。

男子生徒は何とも言えない表情でF4を見てる。

「どんまい庶民達。」
YR『なにが?笑』
「ふふ!さーて食べよ!」

どれから食べようかなー。
韓国料理は気抜くと辛いのあるからね。

ユリが赤は辛いって言ってたけど…。
よし、ちゃっとミンジに毒味してもらお。

「ミンジ〜、これ辛いか食べて感想教えてぷりーず。ミンジ?みんじやー!」

私の背後を見て固まってるミンジとユナ。

「え、何?どうし…は?」

私の手首がグインとなって、箸の先の食べ物が消える。

「ちょっ、毒味したのだ…うお!」
MG「相変わらずうっせーな。」

私の背後にはあの日のイケメンがいた。

「それ辛い?」
MG「それって?」
「今食べたやつ。」
MG「何お前、辛いのだめなの?」
「うん、ジャパニーズピーポーだからね!」

ふーんと言って私の手から箸を奪うイケメン。

「なに、お腹空いたんだったら自分の食べなさっ!…は!?クソ辛いじゃん!これ!ば、水!ちょっと!こら!」
MG「もっと身長伸ばせチビ。」
「うっせーやい!誰かわしに水を…死ぬ…。」

ユリが笑いながら私に水をくれた。
やっぱりユリは女神だ。

「ユリ、愛してる。」
MG「キモ!」
「うっせ!お手!」
MG「だから犬じゃねーよ!」

はぁ、全く。
え、てか、イケメンがここにいるって事は同じ学校なの?

「イケメンもここの学校ですか?」
MG「残念ながらそうですね。」
「やだ、ストーカ…っぐ!ご、ごめんなさい!」

「ミンギュヤー!何してんのって、もしかしてこの子?」
MG「そう。これ。」

あら、なんかイケメン増えてますけど?

「リアルF4かよ!」
MG「あ?」
「ごめんなさい、なんでもないです。さ、みなさんご飯食べましょ。」

箸を持ち直すとまた、その手を掴まれる。

「何だよイケメン、私の貴重な食事を邪魔しないでおくれ。」
MG「お前何組?」
「セブン。」
MG「ん。」

…いや、何それ。それだけかよ!

「ハリケーンちゃんまたね〜!」

ひらひらと手を振るF4の1人。

「…ハリケーンちゃんってわしか?」
YR『たぶんね、笑』

何でそんな訳分からんあだ名ついとんねん!
まあ、いいや、さ、飯だ飯だ。

『『オンニ!!!』』
「はいっ!」

あ、これはしばらくごはんお預けだな…。




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