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「まぁ、こうして皆さんと出会えたことですし、これからどうするかを話し合いましょう」


その言葉に、全員がジェイドを見る。一番最初に口を開いたのは、ティアだった。


「本国に帰還すべきだと思います。ですが…ここからでは容易ではありませんね」
「ですね。船は航行不能ですし、まずは陸にたどり着く方法から考えないといけないでしょう」
「それなら、うちの船に来ればいいだろ?」


クロートを抱きながら言った俺に、リッドが俺を見た。


「なるほどな。それはいいかもしんねぇ」
「だろ?オレ達の任務は《グランマニエの要人の救助》だ。船に連れ帰っても、なんら問題はねぇだろうし」
「ここは魔物も徘徊してる。いつまでもこの場所にいるのは危ないわ」


カノンノが俺達の言葉に賛同し、イリアも頷いた。


「なるほど、それは願ってもいないことです。是非ともお願いします」
「よし、決まり!」


パチン、と指を鳴らし、俺はカノンノの手を引いた。クロートが肩に飛び乗る。
ようやく起きたガイにもティアが状況を説明し、皆でバンエルティア号に戻ることが決定した。


「では、参りましょうか。皆さん」
「ガイは置いていってもいいんじゃね?」
「(鬼!!)」


素敵笑顔で言うオレにルークが顔を青くするが、カノンノに手を出したんだ。そのくらい軽いだろ?(超爽笑顔)

まぁ結局、ガイもつれていくことにはなったんだけどね!
さすがに怪我人放っておけないし、冗談だったよ?…本当だよ?




***




バンエルティア号に戻ると、チャットとキールが出迎えてくれた。


「ただいま。キール、チャット」
「あぁ」
「おかえりなさい、皆さん」
「おや、中は立派なものですね。これは意外です」
「意外って、どーいう意味ですか!」


にこやかな笑顔で迎えてくれたチャットが、ジェイドの余計な一言に眉をつり上げた。


「随分失礼な物言いじゃないですか。……助けるんじゃなかった」
「これはこれは失礼を。私はグランマニエ皇国陸軍大佐のジェイド・カーティスと申します」


拗ねたように呟いたチャットに、ジェイドは胡散臭い笑顔を向けた。


「あまりに立派な船に、見惚れてしまいました」
「何を白々しい…。まぁいいでしょう。ボクはこのバンエルティア号の船長、チャットといいます」
「船長の勇敢かつ迅速な判断で我々を助けてくださったこと、大いに感謝します。できれば、これからグランマニエに向かっていただきたいのですが…」
「残念だったな。この船は近海しか移動できない」
「そうですか。ならば、いい案が見つかるまでこちらでご厄介になりますよ」


キールの言葉に、ジェイドはさほど残念がる様子もなく肩を竦めた。
あ、なんか考えた顔してる。
勝手に進んだ話と、開口一番に愛船を意外呼ばわりされたことを考えてチャットが口をつぐんだが、やがて小さな溜め息をついて帽子をかぶり直した。


「……………しょうがありませんね。それじゃあ、ゲストとしてお迎えします」
「感謝します」
「あぁ、それと」


くる、とチャットがおもむろにこちらを振り向いた。


「レインさん、貴方から出された依頼も完遂しましたよ」
「ほんと?ありがと、チャット。報酬は出世払いじゃだめ?」
「そんなことだろうと思ったので先に受けてくれた方たちには渡しておきました。ちゃんと働いて返してくださいね」
「アイアイサー。サンキューチャット、愛してる!!」
「…依頼?」


イリアが怪訝そうに首をかしげる。
俺はニッと笑った。


「そ。…グランマニエの救出依頼」
「え…?」
「船に乗ってたのは、こいつらだけじゃないでしょ」


そう言うと、ルークがはっとしたような表情になる。
そう、あの船に乗っていたのはルークたちだけじゃない。たくさんの乗組員があの船にはいたはずだ。
お偉いさんだけ救出してあとは放置?そんなのゴメンだね、俺の寝覚めが悪い。だから俺は、俺からの依頼として彼らの救出依頼をチャットに頼んだ。さすが、うちのメンバーは優秀だね。周りを見回すと、ファラを筆頭に何人かがにっこり笑って親指を立ててくれたので、こちらからもグッと立て返した。


「救出した方々は医務室で手当てを受けていますよ」
「わかった。俺もそっち行って良い?」
「報告が完了してから、ですよ」
「アイサー、せんちょ…」
「あ、あの!!」
「ん?」


ぐい、と突然手を引かれた。
振り向くと、ルークの顔が目の前に。なんだ?と首をかしげると、ルークは震える声で、


「あ、ありが、とう…!」


そう、言った。








新しい間が加わった!



(なに泣きそうな顔してんだよ)
(苦笑して、オレはルークの頭を撫でた)





090524