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現在の時刻 AM5:00

…んんん??一体何があったんだ、俺?

ということで、朝早くからおはようございます。
いつも元気な低血圧のレインさんです。
…うん、低血圧…なんだよな、俺。いつも誰かに起こされない限り自力では7時にも起きられない低血圧さんなんだよ俺。


「…なのにこの時間に起床とかありえねーよ」


見ろよ、クロートもまだ寝てんじゃねーか。
ちなみに毎朝の目覚ましはクロートの猫パンチや鳩尾ダイブです。八割がた朝から死にかけますが何か?

ルーク達がバンエルティア号に来て1週間が経ちました。
アドリビトムが発足し、グランマニエ所属のギルドになってから今まで暇だったのが嘘なくらい忙しい毎日。
俺もクエストに駆り出され、心身共に疲れているはず、なんだが…。

…何故こんな時間に起きたよ、俺。

しかもなんだか目が冴えて眠れそうにない。
俺は枕元で小さく丸まっているクロートにちらりと視線を投げ掛けると、彼を起こさないようにそっとベッドを抜け出した。
朝の5時か…まだ起きてるやつらなんてそうそういないだろ。いたとしてもパニールくらいかな。
そんなことを思いながら、俺は寝間着代わりにしているタンクトップの上から裾の長いコートを羽織った。
それからブーツではなくサンダルをひっかけ、音をたてないよう極力注意しながら短剣を腰に提げる。
それから静かに部屋を出て、扉を閉めた。


「ふー…」


ガシガシと頭を掻き、俺は小さくため息をつく。髪質からか、俺の髪にはまず寝癖はつかない。だから手櫛で十分髪型を整えられるのだ。我ながら細やかな自慢だったりする。

…………さて、これからどうしようか…。

寝起きでなかなか動かない頭を捻りながら、俺は人気のない廊下を歩いていった。