4
ひゅうひゅう、とすぐそばで風を切る音がする。
なんか寒い。すごい寒い。まるで全身に冷風叩きつけられてる感じだ。
辺りは真っ暗、何も見えない。目が空開かない。何も、何も見えない。
感じるのはその風の音と寒さだけ。
あぁ、頭がぼんやりする。なんか眠い………。
…そういえば、さっきなんかあったような気がする……やば、思い出せない。何があったっけ?
何か、大事なモンを視てたような気が…………
あ、やっぱダメだ。わかんねー。まぁ、解んないモン考えててもしょうがないし……それより今は、この真っ暗でひゅうひゅうの状況を理解する方が大事かな、うん。
《――――ィ、セ……ー……》
あれ、今何か聞こえた?気のせいかな、うん気のせいだ。だってすぐに何も聞こえなくなった。きっと風の音と耳なりのせいで聞こえた幻聴だ。
“俺”は幽霊なんか信じねーぞ?だってそんな、いや…いても気にしなきゃいないのとおんなじだろ?うん。
だから、幻聴、空耳、気のせいだろ?うん、きっとそうだって。
にしても、暗いなこれ。“俺”、いつまでこんな状態なんだろ。
暗闇と風の音と耳なりにプラスして、浮遊感と落下感までだんだん感じてくるようになった。
え、これもしかして“俺”落ちてる?落ちてるのこれ?
いや何で?何で落ちてるのさちょっと。神様、“俺”なんか悪いことしましたか?テスト勉強しなかったこと怒ってらっしゃるんですか。
いや、つかそれ以前に“俺”自宅で寝てたはずなんだけど。
あ、もしかしてこれ夢?夢だよね?ってか夢だと言ってください。よし夢だそうだろう絶対そうだよね?
そこまで考えたとき、不意に急激な睡魔が“俺”に襲いかかってきた。あれ、夢なのになんで眠いの。寝てるのになんで眠いの。もしかしてこれ、ホントに現実だったりすんのか?いやだったらヤバくない?“俺”死ぬじゃん。下がどうなってようと死ぬじゃん完璧。
………あ、ダメだ…もう眠い………………。
フッ、と意識が暗闇に吸い込まれるように消えた。
最後に思ったのは、どうせ死ぬんなら一回異世界行きたかったなぁ………だった。
だからダメ人間って言われるんだよ、“俺”。
世界に落ちた異世界の子
(さぁ、行ってらっしゃい)
(開幕ベルは鳴り響いた)
090315