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レインがゼロスと挨拶を交わしていたその頃。
甲板に洗濯物を干しおわり、ホールに戻ってきたパニールはリフィルと鉢合わせていた。
「あら、ごきげんよう」
ジェイドから事の次第は聞いている。パニールは何時ものように朗らかな笑顔でリフィルに頭を下げた。
そんな彼女を見て、リフィルは驚いたように僅かに瞠目する。
「あなたは…ナツナッツ族?」
「…はい、よく…ご存知でいらっしゃいますね」
少し言葉を詰まらせたパニールに気付く事なく、リフィルは友好的な微笑みをうかべる。
「実際に見るのは初めてだわ。人間と交流を持つというけれど、まさか本当に会えるなんてね」
「あら、そうですか?そんなに珍しいものでもございませんよ。ほら、私は普通のオバサンですから♪」
素直なリフィルの言葉に、パニールはニコニコ笑う。その声音、表情には、先程微かに見せた負の感情はなかった。
リフィルはそんな明るいパニールに好感を抱いたらしく目尻を下げ優しげに微笑む。
「ふふっ、私はリフィルよ。よろしく」
「はい、ご丁寧にどうも。私はパニールと申します。よろしくお願いしますね」
リフィルから差し出された手を、パニールは小さな手でそっと握り返した。