イタズラのお返し
これは、日頃の行いがいけなかったからなのだろうか。
いや、あの時はささやかなコミュニケーションだったのに。
例によって泊まる場所を確保すれば、ベッドに腰掛け。
ふぅ、と息を吐くと、ラグナは赤いジャケットを脱ぎ、大剣を外した。
ベットに腰掛けたままのヒスイが、装備を外すラグナに向かって一言。
「ラグナってさ、ホント腰細いよね。」
「…ヒスイ。何言い出すんだ。いきなり。」
ジャケットを無造作にするラグナがこちらを向いて固まる。
私は至って、真面目なことを思っていったのだが。
「ジャケット着ても細いからだ。有り得ない。」
「…はぁ。」
銀の髪をがしがしと掻いては、何故かこっちに来た。
(…え?なんで?)
そして、不意打ちじゃないんだけど、余りにストレートで唐突だったから。
はっきり結論すれば、後ろから抱きつかれたのだ。
「っ!ちょ、ラグナ…!何してんの…!」
「俺に抱き付いてんだったら俺だっていいだろ?」
抵抗しようともぞもぞを試みるも、頑丈な男の腕に抱かれては抜けられない。
更に抵抗すらもさせないのか、覆いかぶさってベッドにイン。
覆い被さったのが原因で、抜けることも出来ない。
背中が無謀なままなので体温がダイレクトに伝わってドキドキが半端ない。
「う、後ろから、ダメだって…!や…っ、離れ…。」
「いいだろ。このまま抱きつかれてろ。」
命令されるような低い声に思わずどきりとする。
こんな風にされるなんて、今までなかったからどきどきする。
くっつくのはイイのに、こうされると本当にダメで。
意外と自分の弱点を此処で思い知るなんて思わなかった。
イタズラのお返し
(ひゃっ!くすぐったい!ちょ、何して…っ!)
(あ、ワリ。)
(“ワリ”じゃないよ!何付けてんの!)