In return she offered him a rose.
貴方に薔薇を差し上げましょう。
雲一つない空の色の薔薇を一輪。
夜の闇の中でも目の覚めるような青い花。
さぁ、お受け取りなさい。
空に疎まれた可哀想な子よ。
貴方はきっとその薔薇に恋をする。
壊そうとしても拳を振り下ろすことはできない。
許されざるものほど、触れてはいけぬもの程胸を焦がすのです。
その痛みはいずれナイフとなって貴方を殺すでしょう。
何にも脅かされない貴方を殺すのは小さな小さな、薔薇の棘なのです。
カタカタと震える両の手は鮮やかな血色に染まっていた。
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