夏を知る人

 149.

「はぁー。なんだか不思議な奴らだったな……」

二人を見送った後、私達は日が暮れる前にカゴメタウンへ到着できる様、少し早いスピードで、小高い丘を登っていた。
息が切れるが、頑張らなければ。

「そうね……。でも、向こうからすれば陽の方がよっぽど不思議なんじゃないの? ……ダストダスの姿だったのに、その形跡が無いだなんて」

「いや、あのおっちゃん、俺がゾロアークだって気付いてるみたいだったぞ? イリュージョンを使ったんだろう、って」

「そう……。じゃあ、あの人は陽の正体を知っているのね……」

「ああ」

「……、陽」

足を止めて、呼吸を整える。

「うん? なんだ?」

「あの、戦っていたピンク色の女の人……。ポケモン、でしょう? その、あの人達のことは……」

「……。……ああ。あのおっちゃんには、話してねえよ」

陽の表情が、途端に険しくなる。
ああ、やっぱり。
想像していた通りだ。

「ミツキ、後でちゃんと話すけど、あいつらさ……」

「……うん」

「あいつら、森からやって来た、追手だ。……ここまで、追い付かれちまった」

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