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巻き込まれ系男子【ルームシェア編】
カミングアウトは突然に
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オープニング


『俺は別にホモじゃねえよ。お前以外の男には全く興味ないし』
『……そう、なんだ』
『ただ、凛が凛だから好きなんだ。頼む。俺と付き合ってくれないか?』

大翔(はると)が照れ笑いしながら、そんなことを言ってくる。

ねえ、大翔。
涙で滲んで大翔の顔が見えないよ。

『泣くなよ』

別に泣いたっていいじゃん。
涙は悲しい時や痛い時だけじゃなく、嬉しい時にも出るものなんだから……。




「……で、ハッピーエンド。テキスト投稿、と。やったこれで完結」

長かったなあ、と盛大に独り言を言いつつスマホを置く。
すると、

「おっ、とうとう完結かね?」
「ぐえっ!」

ベッドに腹ばいで寝転がっている俺の背中に、さっきまでパソコンの前で漫画を描いていた俺の彼女が飛び乗って来た。

「ちょ、千春!ギブギブ!堕ちる堕ちる!」
「どれどれ」

愛しの彼女は少しぽっちゃりめのロリ巨乳(十八歳だけど)ってやつで、背中に飛び乗られて首の後ろを押されたら一たまりもなかったりする。
彼女の漫画も完成に近いはずだけど、俺が思っていたより、俺の連載の完結が気になっていたみたいだ。

「…………」
「あのー、降りて読んでくれませんかね?」

俺のスマホを弄って俺のサイトを表示すると、彼女は今回更新したばかりの数ページを読み始めた。
長い沈黙にドキドキするというより、背中に当たっている胸のボリュームだとか甘い匂いにくらくらする。

「うん。いい感じ。王道な終わり方でいいんじゃない?」

目の端を擦っている気配を後ろに感じて、少し照れ臭いながら嬉しさを隠し切れない俺だった。

「はあ……、ごちそうさまでした」
「どう致しまして」

俺と彼女は俗に言う腐男子と腐女子のオタクカップルってやつで、俺はBL小説を、彼女の千春はBL漫画を描いている。
所謂、イベントって言うか即売会にも千春との二人サークルで参加していて、壁サークルと同じくらい人気の千春のスペースの片隅に、おまけ程度に俺の書いた小説も置いてもらっている。

「はあ、ホントにお腹いっぱいだあ」
「ははっ、大袈裟な」
「いやいやホント。……ってか、当事者たちはご在宅かね?」

千春は大袈裟に溜め息をつきつつそう言うと、俺の背中から降りて窓に寄り、開け放ったカーテンの向こうを見遣った。

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