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巻き込まれ系男子【ルームシェア編】
カミングアウトは突然に
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窓の向こう


「うーん、どうだろ?」

窓の向こうを覗けば、夕暮れに染まる向かいの窓にカーテンが引かれているのが目に入った。

「神前(かんざき)君のおじさんもおばさんもまだ仕事してる時間帯だし、カーテンも閉めちゃってるからやっちゃってるかも知れないね」

キャッとわざとらしくかわいこぶりながら、千春がそんな赤裸々なことを言ってくる。

「確かに。向坂(さきさか)のことはまだよくわかんないけど、真尋(まひろ)は思春期真っ盛りの獣だからなあ」

獣と書いてケダモノね。
野生身溢れる真尋は隣に住む俺の幼なじみで、優等生で虫も殺さないような澄ました顔をしている向坂と、最近付き合うようになったばかりだ。

「ってか、本当にやっちゃってるかな?」
「さあ、どうだろ。相手は向坂だし……、けど、あの真尋だからなあ」
「ふふふ」

『実は俺、ゲイみたいなんだ』

そう、真尋からカミングアウトされたのは、俺が腐男子であることを真尋にカミングアウトしようとした直前だった。

『気持ち悪くねえ?』
『いやっ、全然!俺ってば、こんな漫画を読んでるようなやつだし』

俺の部屋に久しぶりに遊びに来た真尋に千春が発行した同人誌が見つかってしまい、

『あのさ、』

おまけにしっかり中も見られてしまい、しかたなく腐男子だとカミングアウトしようと口を開いた、その時、

『真晴(まさはる)。実は俺……』

真尋から、俺より先に衝撃的なカミングアウトをされたのだ。

「あ。薄暗くなってきたから電気つけようか」
「うん。ってゆーかさ。このまま向こうの電気が着かなければ、それは二人がエッチしてるってことだよね?」

窓の向こうをおかずに、俺達はいつまでもそんな会話を続けた。
ちなみに、

「あ、残念。電気ついちゃった」

そう千春が呟いたのは俺が電気をつけたまさにその時で、心底残念そうに言う千春が可愛くて、再び電気を消したい思いに駆られた俺だった。

結局は電気は消さないままで腐った会話に花を咲かせ、

「それじゃ、また明日ね。おばさん、夕飯ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」

夜の8時すぎに、千春は夕飯までしっかり食べて帰って行った。

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