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巻き込まれ系男子【ルームシェア編】
カミングアウトは突然に
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カミングアウト


……えーと。ちょっと待って。
それって思いっ切りお邪魔虫ってことだよね?
それに、俺は千春と同棲するつもりだし。

「ごめん。実は俺、千春と……」
『千裕がな。大学近くに家を持ってるんだ』
「は?」
『いや。正しくは千裕の父親がな。大学に近い一軒家を千裕のために買ったんだよ』

そう言われて面食らった。
確か向坂の家は田舎町の大地主で、父親は地元の不動産王だっけ。
つまりは向坂の親父さん、可愛い息子が四年間暮らすためだけに、ぽんっと一軒家を買ってやったってわけか。
すげー、大学の周りって、確か高級住宅街じゃん。

『そこで最初は二人で住もうと思ったんだが、男二人だけってのも近所から変な目で見られそうでな』

真尋の親友としては、気にし過ぎだと言ってやりたい。
腐男子の俺としては、確かに男子大学生の二人暮らしとか、フラッグが立ちまくりだ。
そんでゲイであることを自覚したばかりの真尋からすれば、やっぱいろいろ気になることがあるんだろう。

『……だめか?』

電話越しに、しゅんと垂れた犬耳が見えた。
いや、一緒に住んでやりたいのは山々なんだけど。

やっぱ千春と同棲したいし、何より二人と一緒に住んだりなんかしたら、あれこれ妄想ばかりしてしまう。
なんとなく千春に相談したら、二人を観察するチャンスじゃんとかなんとか言われそうな気もするけども。


電話すること、たっぷり一時間。
悩みに悩んだ俺が出した答えは、

「あのな、真尋。実は俺……、腐男子なんだ」

自分の秘密をカミングアウトすることだった。

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