Home > Text > Series1 > List > Page

巻き込まれ系男子【ルームシェア編】
カミングアウトは突然に
[5/6]
初めての電話


基本的に知らない番号には出ないことにしてるんだけど。

「もしもし?」
『……真晴か?』

思うところがあって出てみたら、よく聞き慣れた、けど、電話越しには初めて聞く声が。

「もしかして真尋?」
『ああ』
「ああって。びっくりした。いつものように来りゃいいじゃん。近いんだし」
『いや、まあな。時間が時間だし』

そう言われてベッドサイドに置いている目覚まし時計を見てみれば、いつの間にか夜の十二時を回ってしまっていた。

『その、なんだ。これからは同じ大学だからいろいろと迷惑かけると思うけど、学部が違うから今までのように会いたい時に会えるわけじゃないし』

そう言われてキュンと来る俺ってば、もう終わっていると思う。
今の台詞、新連載に使わせてもらおう。

「迷惑かけるって?」
『あ、いや。俺と千裕(ちひろ)が』

ちなみに千裕とは向坂の名前で、真尋と千裕。
んで、俺たちはは真晴と千春。
偶然にも俺たち四人は名前がよく似ていたりする。

「迷惑かけるつもりなのか?」
『や、そういうわけじゃないけどさ』

真尋のフルネームは神前真尋で、名前までイケメンだったりして。
それに比べて俺は、山田真晴って名前の漢字はともかく、声に出したら平凡すぎる名前だし。
どうせなら俺も『まさはる』じゃなく、『まはる』って振り仮名がよかったな。

ちなみにフルネームも真尋たちは神前真尋と向坂千裕とBL小説のキャラに使えそうな名前なのに、俺と千春は山田真晴と太田千春ってありきたりの名前だ。
まあ、別にいいけど。

『その、俺たちはゲイだから、何かと迷惑かけるかも知れんと思ってな』

どうやら真尋は自分が同性愛者だという自覚は出て来たみたいだけど、いかんせん初めてのお付き合いに戸惑ってるみたいだ。

「別に迷惑だなんて思ってないよ」
『いや、今はそうでも大学生になったらいろいろと……』

中学時代の真尋と言えば、俺様までは行かないまでもイケイケで無鉄砲なところがあった。
そんな真尋はなりをすっかり潜めてしまったようで、俺は少しだけ笑ってしまった。


それにしても、真尋とこんなに話し込んだのはいつぶりだろう。
時計の針は、いつの間にか深夜一時を指している。

「用事ってそのこと?」

そろそろ眠くなって来たからそう聞くと、

『いや。それより、お前、アパートは決まったのか?』
「いや、まだ。明日にでも現地に行って、千春と決めて来ようと……」
『真晴。俺達と一緒に住まないか?』
「……へ?」

突然、そんなことを言われた。

- 7 -

前へ | 次へ #

7/8ページ

↑Back

Copyright © 2016 巻き込まれ系男子 All Rights Reserved.
ALICE+