「お願いします!怖いのでついてきてください!」
「むりなんですぅぅぅ。一人じゃ山を降りれません!!!絶対足折れました!見てくださいこの足!痛いわー痛すぎて痛いんですよー!」
「ありがとうございました。あ、これ良ければ」
鬼に壊された富岡さんの髪紐の代わりに自分のものを渡す。
「藤の花の髪飾りがあるので鬼よけにもなります。何かあった時にはこれが代わりになってくれます」
「ありがとう。これをお前だと思って大事にする」
この人やっぱり他人の話聞いてねえな。
これから先の人生に、語れるようなものはない。今まで経験してきたどの私よりもゆったりと生を謳歌した。
そして、こういう言い方もあれだけど普通に死んだ。
そして目が覚めた。
「……日記をつけよう」
直前までなにしていたのか分からないのは厄介だ。それにしても、老衰がどれだけ理想的な死かをありありと実感する。腹を貫かれたら全身をぐちゃぐちゃにされたりするのはやっぱり嫌だ。
「えっと……霞柱さま?」
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