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四人になった万事屋が騒がしくなる前に夕飯の準備に取り掛かるべく買い出しに向かうことにした美純と、あわよくば甘いものでも買ってもらおうと着いてきた小学生もとい銀時。伸びる影に隙間はなく、一つの塊のようだった。
通行人が銀時に手を振り声をかける度、美純の目尻が下がる。たまに笑い声を口の中で転がしているのを、銀時は三者面談で先生に褒められたときのような気持ちで聞いていた。
「そのクスクス笑うのやめろよ」
「ごめーん。銀時くんが好かれてるの嬉しくて」
「俺らと暮らすならこんなの毎日だから。慣れてもらわねーと困るぜ、俺が」
好かれているのを否定しない銀時が可愛くて仕方なくて、また小さく笑いを零す。幼い頃の野良猫時代を知っている分、愛しさも一入。再会してからずっと胸がぽかぽかしっ放しで、美純は歌い出したい気分だった。
「アレ、銀ちゃん。こんな時間になに女とぶらついてるアル?無いとは思うけどデート?無いとは思うけど」
「二回言うの止めてくんない。夕飯の買い出しだって見方変えりゃデートですぅ」
「彼女と付き合いたての中学生みたいなこと言ってんじゃねーヨ。今日のご飯なぁに?」
「唐揚げのつもりだよ」
「マジでか!お前が作ってくれるアルか!てか
お前誰ヨ?」
「こいつ今日から万事屋住むから」
「なんだとォォ」
大きな犬の定春に噛み付かれ頭から血を流す銀時が口を尖らせて言う。それに神楽が返す辛辣な言葉と可愛らしく傾げた首。胸いっぱいになりながら二人を見つめる母のような目をした女の頭を、臭いをしきりに嗅いでいた定春が挨拶代わりと言わんばかりに食んだ。
ついにけらけら笑いだした美純に早速懐いた神楽を見て眩しそうに目を細めた銀時が、後ろ頭を掻いてお前荷物持ちなと言い放つ。
「任せるアル、唐揚げのためならえんやこらヨ!」
「えらい!お菓子買ってあげる!」
「キャホォォ!酢昆布が良いヨ、酢昆布!」
「美純ちゃん俺には?」
「手伝ってくれるならいちごミルクの飴かなぁ」
「ッシャオラァ!おい神楽、おめーもだぞ。食器洗いまでが料理だ!」
「ウス!」
隙間の無かった影が二つに裂けて、間にちょこんと小さな影。三つの横に大きなふわふわの影がのしのし歩く。一人足りないけれど、どこから見たって家族に違いなかった。
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