大きな子供の世話は大変

※職員夢主
※兎田と恋仲

「にーちゃんたちまだ来ないね〜」
「う」

虎太郎のどこをつついてもぷにぷになほっぺたをつつきつつ、子供達と部員の帰りを待っている。
同僚である怠慢の擬人化のような男、兎田は鷹や拓馬にもみくちゃにされていた。ざまあ。

「すいませんっ!遅れました!」
「にちゃ!」

竜一が慌ただしく保育ルームに入ってくると、虎太郎は心なしか嬉しそうに駆け寄って行った。うんうん、仲良きことは美しきかな。
虎太郎の相手が帰ってきたことだし、と立ち上がろうとすると手に足を掴まれる感覚。

「ん?どした?…って兎田離して」
「やだ名前ちゃん助けて」
「名前ちゃんはやめてはったおすぞ」

と中々手を離さない兎田を足蹴にしつつやはり一番子供に懐かれている竜一の所へ向かう。否、向かおうとしていた。
私の好きなぎゅう、っときつく抱き締められる感覚。肩口から、顔を赤くして急いで子供達の目を覆う竜一が見えた。
そんな力あるんなら鷹達の相手しろ、だとか子供達に見られてるだとか言いたい事はたくさんあったのにそれも忘れてぽかんと呆けてしまった。
ハッ!と我に返り、胸板を容赦なく叩いても上から痛い痛いと帰ってくるだけ。

「は、離せ!」
「充電中なの…顔真っ赤にしちゃって、か〜わい」
「…っ!離してアホ兎田!」
「ひでーなー俺先輩なのに」

周りの事なんて忘れた当人達よりも嬉しそうでキラキラとした顔で奇凛は言い放った。

「ラブラブでちゅわ!」
「ちょ…!奇凛!どこでそんなの覚えたの!」

怒鳴りながら更に顔を赤くした苗字をからかう兎田と口論になり、遅れてやってきた隼に惚気けるなと言われてしまい、またしても照れてしまったのは言うまでもない。