暑い日にはアイスを

世間では殺人級の猛暑と言われている中、我が事務所の冷房機器は、最近仕事が出来るようになってきた山村くんの奇跡的なおっちょこちょいで、その役目を全く果たしていない。

「あつい…………」
「あつい、ね……カエールの中くらい、あつい……」

いつも元気なピエールさんも、この暑さにやられている様子だった。
パタパタと手持ちのうちわで扇ぐと、目を細めてありがとう、と微笑んでくれた。
しかし、これでは私が暑い。アイドルであるピエールさんに熱中症を起こさせるなんて言語道断だが、私が倒れてしまってもプロデューサー失格だ。大至急扇風機を買いに出た山村くんを待つ間、どう暑さを凌ぐか考えていた時、あの存在を思い出した。

「…よかった、まだあった」
「…?」

突然冷蔵庫に向かい、冷凍室を漁り出した私を見て、頭にはてなを浮かべていたピエールさんもお目当てのものを見せればどんどんと表情が輝いていく。

「アイス!プロデューサーさん、食べていいの?」
「勿論です!暑いですからね、ひんやりしたもの食べましょう」

半分に切り取るタイプのアイスを、袋から取り出してピエールさんに渡すと、つめたい!とどこか嬉しそうな表情で言われた。

「プロデューサーさんと、はんぶんこ!とってもおいしいね!」

ニコニコと嬉しそうなピエールさんを見て、こんな日も悪くないかな、なんて思えた。そんな暑い夏の日の出来事。