生を与えるもの

主に促され承太郎は家の裏庭へと来ていた。鯉が住む池と小さな動物小屋があり、池には赤い鯉が優雅に泳いでいた。

「もう50年位前になるが、昔ソ連が7トンの核地雷を作った」

空条承太郎は、脈絡の読めない話題に眉をひそめた。赤い貝からどんどん話が逸れていくことに疑念を持ったが、主は続けて語り出す。

「大量破壊と放射能汚染を引き起こす恐ろしい地雷だが、ある欠点があった。それはな、地下での低音になかなか耐え切れず、電子部品が作動せず爆発しないってことだった。この問題を解決するために様々な方法を試した。断熱材で爆弾を覆ったりな。だが、解決方法には繋がらなかった。」

ーー解決方法、何か分かるか

主は小さな動物小屋の前で足を止めた。細かい網目の柵が張られ、隙間からニワトリが寝ている姿が見られる。

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