プロローグ

岸辺露伴は7歳の時、一人の少女と出会った。家から徒歩数分の場所に位置する公園に行き、風景画を描こうと思ったのだ。
公園の隅に並んでいるベンチへと赴けば、一人の少女が座っていた。両手で鳥を抱え、手提げ袋に手をかけたままを横に置いて、静かに鳥を見つめていた。歳は露伴と変わらないだろう。
露伴はまず不思議に思った。見るからに負傷している汚い鳥を、見捨てるわけでもなく介抱するわけでもなく、なぜただ抱えてじいっと座って見ているのか。彼は少し気になったので、その女の子に声をかけた。

この些細な出会いは、露伴にとってもその女の子にとっても、人生を左右する大きな原動力となるのだ。

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