『ありがとうございました。』
ミーティングは無事終わり、SixTONESのメンバーは先に退出。
その後、彼らの事務所の方やチームの方たちと挨拶がてらの雑談を済ませた後、私も会議室を後にした。
エレベーターを利用するべく歩いていると、後ろから肩を叩かれ振り返る。
『あ、松村さん。』
北「お疲れ様です。今日はありがとうございました。」
『こちらこそありがとうございました。良い物ができるよう、かっこいいの用意しておきますね。』
北「名字さんに担当してもらうの楽しみだなぁ。…あ、降りますよね?」
エレベーターホールに着くと、下りのボタンをさっと押してくれた松村さん。ぺこりと頭を下げれば、彼の口角がきゅっと綺麗に上がった。
改めて見ると、本当にイケメンだなぁ。
北「そんな見られると恥ずかしいです。」
『あ、すみません!』
少し気まずくなり、一瞬の沈黙を破ったのはまたしても松村さんだった。
北「そうだ、俺スタイリストさんと会ったら聞きたいことがあったんだった。」
『聞きたいこと?』
北「探してる古着があって。どっかありそうなお店とか聞きたいなと思ってスクショしてるんですけど、あれ、どこだっけ…あ、でもエレベーター来ちゃうな。」
携帯とエレベーターの電子表示を交互に見ながらぶつぶつ話す松村さん。何言ってんだかあんまりわかんないけど、焦ってるようだ。
北「ちょっと見つけたら写真送らせてもらってもいいですか?」
その言葉と同時ぐらいに、エレベーターの扉がゆっくりと開く。連絡先を交換する時間はなさそうだ。
『あ、じゃあ、また次回お会いするときにでも、』
北「これ、俺の連絡先です。申し訳ないんですけど連絡もらっていいですか?じゃあ、お疲れ様です。」
ピンク色の付箋を渡され、とりあえず受け取った後ひとまずエレベーターに乗り込んだ。
ゆっくりとまた閉まる扉の前でお互い軽くお辞儀をして、強制的に解散。
手渡された付箋を見れば、綺麗な字で書かれた電話番号とLINEのID。
今時連絡先を持ち歩いている人がいたことに驚いたが、素直に友だち登録を進めた。
彼は何を探しているんだろう。
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