ジェ「いやー、なまえちゃん可愛かったね!」
慎「久々テンション上がったね、あれは。」
樹「次の撮影の時、連絡先聞けっかなぁー」


次の仕事へ向かう移動車の中、メンバーたちの会話は先ほど会ったスタイリストの名字さんで持ちきりに。
それぞれ趣向の違う俺たちも満場一致であの人にはグッと来た。


優「北斗とか特にタイプそうだよな。」
慎「たしかに好きそー!」
北「まあ、そうだね。好きなタイプだね。」
樹「お前だけこっそり抜け駆けとかすんなよ。」


俺の後ろに座る樹が、座席を持って身を乗り出す。
咄嗟に持っていた携帯電話を裏返して、画面を隠した。


北「…ばか、そんなことしねぇよ。」
ジェ「あやし〜」


隣でけらけら笑うジェシーに呆れたような顔を浮かべ、その肩を小突いた。
それから話題は今日の出演番組の話に切り替わり、俺はまた携帯を取り出す。


"本日はありがとうございました。
これから宜しくお願い致します。
写真、送っていただけますか?"


絵文字のない真っ黒で簡素な文章。
そりゃそうか、と思いながら、彼女に送る画像を探す。

探している古着なんてのは彼女に話しかけるために咄嗟に思いついた言葉で、実際はそんなものない。

会議室を出た俺は、そのまま1人メンバーから離れ、誰かのデスクから付箋をもらい、自分の連絡先を自分が書ける1番綺麗な字で書いた。
後は会議室から出てきた彼女の後を追い、偶然のように声を掛けた。

…連絡先を準備していた時点で、これは偶然ではないことに彼女には気付かれてしまっているとは思うけれど。


"こちらこそ、宜しくお願い致します。
写真、これです。
もしどこかで見たら連絡下さい。"


すでにSOLD OUTと書かれた古着屋のインスタのフィード写真をスクショして送った。
ここからどうやって次に繋げようか。