たまたま別の案件で衣装を探しに馴染みの古着屋へ行った時だった。バンドTシャツばかりがパンパンに並んだシングルラックが目に入った。
ひとつひとつそのデザインを確認しながら、彼が好きだと言うアーティストの物を探す。
『…あった、!』
松村さんが探していると送られてきた写真の物とはデザインが違ったけれど、彼が好きなアーティストのバンドTシャツを見つけた。
状態も悪くなく納得のいく物だったので、そのままの勢いで購入し、彼へメッセージを送った。
"良い物見つけました。次回の撮影でお渡しします"
その数分後、松村さんから着信が。
だいたい用件は分かってはいたけれど、少し緊張しながら通話ボタンを押す。
『お疲れ様です。名字です。』
北〈お疲れ様です。急に電話しちゃってすみません。
勢いあまって思わずかけちゃいました〉
北〈名字さん、もしかして、見つけちゃったりしちゃいました?〉
わかる。わかるよ、その気持ち。
ニヤニヤとしているであろう松村さんに服好きとして共感しながら、その物についてお伝えする。
そうすれば、ちょうど1週間先の撮影日まで待ちきれないとのことで、予定を擦り合わせて早くも明日の昼過ぎに会うことが決まった。
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