ある晴れた日。
依頼もなく、書類整理も迅速に終わり
そろそろ帰ろうかとパソコンを
閉じた時。ポケットでお休みしていた
携帯がぶるぶると震えだした。
見慣れた液晶画面には*太宰さん*の文字。
多少の嫌な予感に気づかないふりをして
通話ボタンを押した。

「もしもし〜?あ、謡?今なにしてるの?
寝てた?あ、謡は真面目だから書類整理
でもしてたのかな〜?」

矢継ぎ早に出てくる言葉を半分聞き流し、
さっさと用件を聞こうと切り出した。

『何のご用でしょうか?』

「も〜冷たいんだから〜
そうそう、謡さあ今から出てこれる?」

『用件によりますね』

「お茶漬け食べない?」

『...はい?』

「だから〜
国木田くんがお茶漬け奢ってくれるって〜!」

電話の向こうで独歩さんの文句が聞こえる。
声の数からしてもう一人いるようだが
聞いたことのない声に違和感を覚えた。
まあ、お昼代が浮くと私の貧しい生活は
大変楽になるので

『五分で伺います。』

「はいよ〜
気をつけておいでね〜」


電話越しの貴方
((何回電話しても、なんとなく緊張してしまう))
(また緊張してたな〜.かわいいな)


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