「なあおまえシカマルのこと避けてるってマジ?」
「えっ!いやっ、そんな、」
「…わっかりやす」

キバが呆れたように呟いた。
わたしはそれに苦笑しかできない。

任務帰りにちょうど任務終わりのキバに会って、二人で報告書を出しに行こうとなっていたはずなのに、道中、いきなりキバがあんなことを言ったのだ。
確かにわたしはシカマルに謝らなきゃと決めた日から、結局、シカマルに会えてすらいない。
避けている、つもりはなかったんだが言われてみてよくよく考えてみたら、無意識に避けていた、かもしれない。
というか、何で、キバがそのことを。

「昨日、シカマルと飲んだんだけどよ、なーんか悩んでるみたいだったからつついてみたら誰かに避けられてるっつうわけよ、」
「…わたしの名前出したってこと?」
「いや?まあおれが一番怪しいなって思ったユウナにカマかけたらビンゴ〜っていてえ!」

なんだこの駄犬。
思わず持っていた資料で頭を叩いてしまった。
キバは「殴ることねえだろ」と吠えていたがわたしは無視をした。

「怒ってるでしょ、シカマル」
「んー怒ってる、のか?まあおれが何したってんだとは言ってたかな」
「はー…やっぱりね…」

キバの言葉にため息しか出ない。
やっぱりいきなりあんなこと怒鳴られて訳わからないはずだ。
でもなんか怒っているって分かって逆に会いづらくなったような。

「おれが思うにあのおまえがすっげえ酔っ払ってた日からじゃねえの」
「…はあ。鋭いね、でもあの、まじあれは忘れて…」
「あんときのおまえまじ面白かったわー」
「いやほんと…すいません…」

キバって昔からこう地味に人の弱みつけこんでくるから嫌だわ。
まあこうなった以上キバにわたしは逆らえない。

「まあ、あのあとシカマルに自分でも訳わからないこと怒鳴っちゃってね」
「なんて?」
「いやー…えっとシカマルはあの子とちちくりあってればいいじゃんって」
「ち、ちち…!?…おまえほんと…」
「いやだから酔ってたんだってわたしも!」

キバの信じられないみたいな視線が痛い。
でもすぐキバは首を傾げた。

「つかあの子って誰だよ」
「キバ知らないの?シカマルが中忍の子とラブラブって噂」

「わたしその場面目撃してさ」とつなげるとキバが「は?」と声を上げた。

「その噂、なんかの間違いじゃねえの」
「え?」

隣のキバを見るとすっごい訝しげな顔をしていた。
間違いじゃねえのって、みんな言ってて、わたしはその場面を見たっていうのに?

「だってアイツの好きな奴って、」
「う、わ!」

キバがすべてを言う前に、急に腕を引っ張られてわたしの視界がぐるりと回った。
そのまま、進行方向とは逆に引っ張られていってしまい、後ろでキバが「オイ!」と言っている声が聞こえたがわたしはビックリして声を出せずにいた。
だって、わたしの腕を引っ張っているこの後ろ姿は。


むかないままのあし

無理やり向けられた、足。
向いた先には、シカマルの後ろ姿があった。


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