甘酸辛苦を七色に 01
人とは、何ぞや?
以前の私である。
なら今は、何ぞや?
今は、鼠である。
鼠とは、何ぞや?
現在の私である。
姿を変えたのは、何故ぞや?
私自身が聞きたいのである。
人間が一夜にして鼠になる。
そんな事例を、貴女は知って居るだろうか?(私自身の事は例外として。)
私は、現実的にどうかは知らないが、フィクションの世界でなら、知って居る物が有る。
貴女は御存知だろうか?フランツ・カフカの中編小説の【変身】と云うタイトルの本を…。
本の内容である簡単なあらすじはこうだ。
ある朝、目覚めると巨大な毒虫になっていた男、グレーゴル・ザムザと、その家族の顛末を描く物語。
事の始まりは、本のザムザと同じで、目を覚ました場面から始まった。
始めはリアル過ぎて性質(タチ)の悪い夢を見てるのかと思った。
毒虫よりかは、マシかもしれないが、鼠って…せめて同じ鼠でも、ハムスターの方にして欲しかったなぁ。
なんて言うのが、自分が鼠になっている姿を見て、即座に夢と決めつけた私の呑気な感想であった。
只、鼠って事にも驚いたが、全く見覚えのない質素な部屋に居た事にも驚いた。
ベットと小さな机と椅子、そして、古びた木の天井にぽつりとぶら下がる、これまた昭和の駆け出し頃に使われて居た様な古びた照明の電気傘。
ベットから、違和感を感じる四足歩行で歩いて降りて、差し込んでくる日の光と、少し開けられた窓から部屋へと入ってくる風の窓辺へと駆け上がる。
そうしてまた驚いた。窓から見える外の風景までも、昭和の古き良きのレトロな町並みだった。
しかし、そう驚いて呆然としても居られなかった。ドアから箒と、雑巾を水バケツの縁に掛けて持って来たおばさんが入って来たのだ。(多分、掃除をしに来たのだろう。)
そうして、そのおばさんと目が会った瞬間、固まったおばさんと鼠の私。
その後に悲鳴を上げながら箒を振り上げ、こちらに突進してくるおばさんに、変身でザムザに起こった事が、一瞬よりも遥かに短い刹那の時間で、頭を駆け巡った。
ステッキを持った父親によって、傷つけらた毒虫のザムザ。
父親にリンゴを投げつけられ、それによって彼は深い傷を負い、満足に動けなくなってしまう毒虫のザムザ。
その父親の投げたリンゴはザムザの背に、のめり込んだままとなり、彼はその傷に1ヶ月もの間、苦しめられた毒虫のザムザ。
そして…息絶えた、毒虫のザムザ。
私は直ぐ様、開いていた窓の隙間から外へと逃げ出した。(例え夢だとしても、殺されたくはなかった。)
その後は、もう語りたくもない程、酷かった。
外へ出てからは、行く当てもなく、小さな体で、慣れない四足歩行で、町の中を駆け回っていると、やたら猫や犬やらに遭遇した。(流石は昭和時代だ。)
必死に逃げて、逃げ回って…気が付いたら、船乗り鼠と名乗るヨイショと、その幼馴染のガクシャ、そしてヨイショのガールフレンドのユリーさんに助けられて居た。
ザムザの一ヶ月間とは行かないまでも、猫や犬にやられた引っ掻き傷や、殴り飛ばされて出来た打撲や擦り傷等で、全治2週間だった。
そんなこんなで、行き場の無い上に、赤ん坊並に生き方を知らない、頼りない私(なんてったって、鼠人生2週間だ。)を見かねてか、ヨイショ達は自分達の仲間に私を招き入れてくれた。
あぁ、あぁ、夢では無く、此れは現実。私は本当に鼠になってしまった。
しかも異世界トリップなのかタイム・トリップなのかは知らないが、平成の世に生きて居た私は昭和の世に来てしまった。
ザムザさん、毒虫か鼠か、自分の家かそうでないかの違いはあれど、貴方の後輩となってしまった私に、どうか先輩として教えて頂きたい。
…貴方にとって、変身後の人生とは一体、何だったのでしょう?
グレーゴル・ザムザに人生を問う
And that's all…?
(それでおしまい…?)
××ATOGAKI××
(懺悔と言う名の白状場)
よ、漸く1話目!ワー\(=∀=lll)/
仕事に追われ、浮気性な性分に抗(アラガ)い、漸く出来ました。
…設定出しといて連載するする詐欺にならなくて、ほんっと良かった←
しかし、夢主出てきても、名前変換が1つも無いと言う罠(ミス)←←
つーか、コレ記載しといてなんだけど、カフカの【変身】ってどんなだっただろうか?こんなで合ってたっけ??
だいぶ昔に1回こっきりパラパラ読みした程度だったから、物凄く記憶が曖昧なんだが;;
ザムザの気持ちっつーか、心の叫びが具体的に書いてなかった気がする…。落胆したとか、感動したとか、怒ったとか、単純なのしか書かれていなかった…気がする。
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解せぬ花