水浅葱色に還る理 04



彼女は、補う者だ。






「すっごい綺麗ー。ビードロみたいに一点の曇りも無く透き通ってて、空より綺麗な水色で…こんな綺麗な目、生まれて初めて出会った。」

(ギン)「よしてや、ベタ褒めされると照れてまうやん。」

「1番はグリムの水浅葱色だけどね、丸ちゃんの水色は2番目に大好きだよ!」

(ギン)「クスッ、光栄やね。ほんなら…僕が死ぬ時に、あげたろか?此の眼。」

「ん?うう〜ん、心そそるお誘いだけど、却下!だって、丸ちゃんが所有してるからこそ、綺麗な目で居られてるんだもの」

(ギン)「蛇の化身で、食えない曲者の僕やのに?ちゅーか、其の呼び方やめて言うたやないか;ちび○る子ちゃんみたいやろー。せめてギンちゃんにしてや。」

「丸ちゃんより可愛いくないから却下!…綺麗だよ。本当の意味で、丸ちゃんの心と目は綺麗だ。だから、もう瞼で隠さないでね。寝る時と瞬(マバタ)き以外で目を閉じちゃ、駄目だよ。」

(ギン)「滅多に見れん方が、貴重って感じしてええやん。それに、毎日見とったら飽きてまうよ。」

「飽きないよ、絶対飽きない。無い無い無い、其れは絶対無い!あたしがグリムを嫌いになる事位有り得ない!!」

(ギン)「そんなに惚気交じりで力説されるんは、初めての経験やわ。(眼の事も、心の事も…見透かされた事も。)」





彼女は、貴重な孔の埋め合わせ。

だから虚達は彼女を求めたのだろう。



彼女…##NAME1##ちゃんは、アランカル云うより、人と云った方がしっくりやった。

ハーフ、っちゅーのも有るやろうけど、魂は絶対喰わんし、虚圏の少量の霊子と人の食べ物で生活しとるし。

よぉ寝るし、表情豊かで喜怒哀楽がはっきりしよるし、何より、人の様な考えが、強かった。



「叶え、メテオーロ」



彼に任せて殂けると、彼女に何も残さず逝けると思っとった時やった。

##NAME1##ちゃんが現れ、自身のレスレクシオンを発動させたんは。



彼女の必死な表情。

『目を閉じるな』と怒鳴る声。

彼女の手の中で、金色の光を放つ星。



金色の光が失せた後、この身は死神の其れでは無く、只の人の身体となって居た。



『後はナイスバディなお姉さんとご自由に!』と、去ろうとする彼女は、闘った訳でも無いのにボロボロやった。

其れは当然の事やった。彼女の帰刃、流れ星が使えるんは、彼女の身に則(ノ)って、人と破面のみ。

其れを無理矢理、半分、死神であるわいに使うたんや。

自身の死神の力も、霊力も失せて逝く中、彼女の手の中の星がボロボロに崩れ去るのと同時に、彼女の破面の力も消失して逝くのを感じた。


辛うじて、僅かばかりの霊力が残っただけで、今にも倒れそうな##NAME1##ちゃんを迎えに来たんは、彼女の保護者…いや、所有者のグリムジョーやった。

彼も彼でボロボロやったけど、其れでも、しっかりと##NAME1##ちゃんを支えて、ウェコムンドへ連れ帰って行きおった。



(乱菊)「ギーーーーン♪」


(ギン)「またサボタージュして来たん?日番谷君に怒られるで。」



今思えば、##NAME1##ちゃんにはボクの思惑がバレてたんやと思う。

色々とバカでアホでボケとった##NAME1##ちゃんやったけど、人の心情に対してはめっちゃ聡い子やった。

僕の心所か、藍染隊長の孤独までも、当初から看破して居った位やし。(藍染の藍の字をずっと哀の方だと譲らなかった位。…言い得て妙な表現やったけど(苦笑))



(乱菊)「まぁまぁ、固い事言わないで〜。そ・ん・な・事より、最近どう?」


(ギン)「最近どうて、一昨日来た時も言うてたやん。そう簡単には変化せえへんよ。」



週に1、2の頻繁な回数で、乱菊は義骸に入って、ボクに会いに来てくれる。



(乱菊)「じゃぁ、一昨日から今日まで、何をして過ごしたか、事細かくてよ。あたしも話すから!あ、というか、今からあたしに付き合いなさいよ。良い呉服屋を見付けたの♪」



乱菊が此処まで頻繁に会いに来るのには、ちゃんとした訳が有る。

其れは、ボクと会える時間に、限りが有るからや。


死神と違うて、遥かに短い人としての時間の限り。

其れを終えた後に、ボクは消滅する。

此の魂が、尸魂界(ソウル・ソサエティ)に帰る事は、絶対に無い。


其れが、##NAME1##ちゃんのレスレクシオンの条件やからや。

##NAME1##ちゃんのレスレクシオンのメテオーロは、攻撃の為ではなく、起死回生の為の物。

其の蘇生の対象者となった者は、只の人の身となり、其の生を終えると同時に、身体も魂魄も、全て消滅する能力。



魂魄も消失なんて、惨いと思う輩も居るやろうけど、ボクは##NAME1##ちゃんに感謝して居る。



使用回数制限付きで貴重な上、己が危険を顧みず、特異なレスレクシオンをボクに使うてくれた。

御蔭であの時、市丸ギンとしての全てが終わらずに済み、こうして笑った乱菊と共に過ごせる時間を与えてくれたんやから。



そんな彼女に、御礼を言いたいんやけど、所有者の牽制が強う掛かって居るせいやろうな、彼女には会えへん。

しゃあないから、日々、神様なんかやなく、##NAME1##ちゃんに感謝しながら、生有る日々を送うてる。





感謝を胸に、生きる。









And that's all・・・?
(それでおしまい・・・?)

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解せぬ花