日和見感染 (下書き)
戦国世界と戯言世界の少女の話
日和見感染 (設定)
[序章編:完]
日和見感染 (革命?)
日和見感染 (発案者)
日和見感染 (企画者)
日和見感染 (実行者)
[三賢者編]
匂宮雑技団 最大の失敗作
零崎一賊 最大の例外作
奇野師団 最大の無造作
方法がない、無造作。
遊子(ゆうし)= 旅人。
…さて、此方での状況を、立場を、今一度、確認しておこうか。
時は乱世、群雄割拠の戦国時代(別世界の)
此処は無番島。
人口が僅か300足らずの有人島。
日ノ本の本島から遠くに切り離された様な絶海に囲まれた小さな孤島。
其の島での私の住まいは、其の島で唯一の城。
其の城で、衣食住と、身の安全を保障して貰ってる。
其の恩返しに、私は其の城の仕官になった。
城の名前は、無ヶ城。
当主の名は三斗九升五合 陽翔(シトナイ ハルト)。
『話。戻す。皆。髪。綺麗。』
互いに口と手を動かしながら、会話をする。
口まで動かす必要はないのだが、いつも声で会話して来た私はつい声も出して手話をし、口話法で会話をして来た彼も癖でパクパクと唇を動かしながら手話を駆使し、にこやかに会話をする。
「其れは皆の努力の御蔭ですよ。」
『肯定。後。##NAME1##。知識。御蔭。』
「クスッ、其れは其れは、有り難き幸せに御座居ます。」
『灰。洗濯・洗髪。使用。可能。驚愕。』
「私も知った時には驚いた。」
灰と水(又はお湯)を組み合わせれば、アルカリ水になる。
なので、皮脂汚れ等は大体落ちるし、漬け置き洗いや濯(スス)ぎも1度で水の無駄遣いに成らないし、其の侭、其処らへんの土壌に水を捨てても、只のアルカリ水なので土壌汚染等しないので便利。
「視察時。町民達。梅干・≪はーぶ≫。生産。好調。」
「本当?良かった♪」
「明日。見物。」
「うん!…あ、今度ちょかべ達にも、御礼を言わなきゃね。」
ハーブは本当に便利だ。
洗髪の為のハーブ(焚火ばかりで灰を作るばかりじゃ自然破壊になるので…)然り、薬効のハーブ然り、食欲を抑えるハーブ然り…様々な用途になるハーブは偉大だ。
『是。後。##NAME1##。交渉。御蔭。御苦労。」
「ふっふー、異国語なら、まっかせっなさーい♪メジャーな英語・フランス語・ドイツ語・中国語から、マイナーなアラビア語、ポルトガル語・ベンガル語等々、何でも御座れよん☆彡」
『頼もしい。飢饉。以下。今年。冬季 。不作。食糧難。予想。」(頼もしいな。飢饉程じゃねーが、今年の冬は不作で食糧難になりそうだからな。)
「でも…苦し紛れの方法だけれど、ね(苦笑)」
食欲を抑えるハーブに、梅干しを丸ごと口の中に入れて1時間位かけて食べる…其れだけで、お腹は何故か減らなくなる。
「色々 → 出だし → 仕方無い。然し → 以前 → マシ → 進歩。」(色々と始めたばかりだからしょうがない。…其れに、其れだけでも充分過ぎる進歩だ。)
「かの有名な宇宙飛行士の名言を借りるなら、『人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ』みたいな?」
「是。町民達 → 心労 → 軽減。」(あぁ。飢えを感じないだけでも、充分、町民達は苦しまずに済む。)
「…そうだね、始めたばかりだもの。焦りは禁物よね。」
天才と平凡と並以下、見事3種類一通り揃って居る。
好きな言葉:求めよ、さらば与えられん。 尋ねよ、さらば見出さん。 門を叩け、さらば開かれん。
現代の悩める若者の1人。生き急ぎ屋。自分がバラ撒いてしまった虐殺ウイルスの粗100%の抗ウイルス剤を製造中。(今の所80%まで出来てる)
(暴露する事に、リスクが無いってーのもあったんだけどね。)
まぁ、其れに伴い発生した危険極まりないリスク(【大きな利益を産出するかもしれない投資には、大きなリスクを伴う。】とは良く云う物だ。)に驚かれたが…。
幾ら他国と戦する機会が滅多になかったとはいえ、零ではなかっただろうに、よく落とされなかったモノだ。(後に知る事となるが、其れは目の前の2人が桁違いに猛者である御蔭だと分かった。)
氏無し島と呼ばれる。
その島の中央に聳(ソビ)え立つ、唯一の城。
城の名前は、無ヶ城。
其の無ヶ城の城主の部屋で1人の青年が溜息を尽いた。
彼の名は萃桃 莅人(スイトウ リト)。
(リト)「殿、いい加減になさって下さい。」
当主の名は三斗九升五合 陽翔(シトナイ ハルト)。
粗(ホボ)恒常的に相互間の戦闘を繰り返す本島とは掛け離れた平穏無事な島。
発案者から企画者、実行者、達成、継続
身分の高い者達の様に米のとぎ汁、あるいは糠を湯に溶いたものや、小豆粉を炒った澡豆(ソウズ)等は手に入らない。
宮籠島(ミヤカゴジマ)
その御蔭で信用に足る…と安堵すると共に、心労が増えると肩を落とす要因ともなった。…なんとも複雑な心境の立場に在る彼である。
その事に更に溜息を付き、其れが当たって射た事に対して尚の事、溜息を付いた。
*平成キチガイ*
世の中から色々な意味で常軌を逸した変人や、ドロップアウトした者達が所属する集団グループ(サークル?)みたいなモノ。
≪ハッカー≫と≪デリバリー≫はギブアンドテイク(因縁)の仲。もずめのウイルスに大切な人を殺された。
彼女の性格と持ち前の能力に寄って真実を見い出し、彼女が抗ウイルス剤が完成すると共にそれを全国に郵送とウイルスゲノムのデータ滅殺を約束する。
≪障子に耳あり、壁に目あり≫情報収集家。盗聴器など仕掛ける。お節介屋で、根掘り葉掘り暴いては誰彼構わずしつこく構う。
※微々混合夢(戯言×BASARA)
呪い名序列が第三位、感染血統奇野師団の出。
身体にありとあらゆる既知から未知の病や毒を仕込んでいる。
病毒遣いとは名乗らない。
と、言うか、奇野を捨てた。
だから奇野と名字で呼ぶと怒る。
ずっと子供で居よう。
その為に、私はウイルス漬けになった。
誰にも殺されない様に、兇器を持ったんだ。
侍が、己が身を守る為に、刀を振るうみたいに…。
平々凡々だけど、乱暴な暴力の世界だから、か弱いあたしの為の保険よ。絶対の保険代わり♪
私を殺しても、閉じ込めて反感を買っても、困るでしょう?
((そーいや、幻術とか洗脳とかはどーしよう?))
脳味噌が筋肉。肥えた脂肪。
安心しろ、お前はどちらでもねぇ、只のバカで出来てる。
はァ!?なんじゃそりゃ;(其れに深く安堵したなんて…絶対言うまいよ。)
彼は何時も憂いて居る。
溜息の回数が、1日約50を超える程に…。
其の憂いの原因は、彼が仕える主に関する事柄が大半を占めて居る。
幼き頃に出会い、共に育った主は、下々の民…民百姓等の被支配層から見れば、とても善い殿上人だろう。
民を、国を想う主の姿は、確かに彼を含む家臣達から見ても、誇り高い国主だと自負して居る。
しかし、だ…
主は、夢見がち過ぎる。世の中の女子達でさえ、此処まで夢見がちではないだろう。
其の夢見がちさに、代表達は厭きれを胸中に滞留させ、頭を抱える日々を送る。頭痛に悩む毎日だ。
乱世の世で戦を許容しない彼の主の考えは、乱世真っ只中の本島に住む彼等からすれば、きっと乱世も戦も知らぬ甘い奴と思われるだろう。
甘い主に頭も胃も傷める日々だが、それでも彼が唯一慕い、敬う主に変わりは無い。(しかし実を言うと皆、戦を当然の様に許容しない主を羨ましいと密やかに思いつつ、尊んでも居る。)
そうして、此度も主の(我儘な)命により、噂の仙女を、彼は迎えに行った。
己が主が最も信頼する彼に、仙女の迎えにやったのは、仙女を主の傍に置くのが相応しいかを見極める為。主の期待に応える為、彼は仙女なるものを見据える。
其の瞬間、彼は思ったのだ…≪主と似て居る≫と。
外見ではない。雰囲気、中身、思想…仙女と主の相性は、ウマが合うと一目で分かった。
其れと同時に、全身全霊を持ってして、感じた。仙女は、主の願いを叶える為の術が、形を成した化身そのモノなのだと、悟った。
感嘆の溜息が、無意識の内に彼の唇から零れ落ちた。…かくして、彼は仙女を引き連れて、仙女との相見を待ちわびて居るであろう主のもとへと、歩を進めるのだった。
彼は謂わば、実行者。
And that's all…?
(それでおしまい…?)
××ATOGAKI××
(懺悔と言う名の白状場)
何が1番、思い悩んで居るかと言うと、必要不可欠なオリキャラさん達。
( ̄ー ̄?).....??アレ??可笑しいな、大体いつもオリキャラの性格とか口調とかはスラスラ決まる筈なのに…。
死滅の島と成るか、泰平の島と成るか…。
そんな状況に成り得る途轍もない諸刃の剣を手中に収めてから、もうすぐ2年が経とうとして居た。
「我が君、女君が来てから2年が経とうして居ます。」
「≪もう2年経つのか?…早いな。≫」
「この2年は、色々と多忙でしたから。」
我が君は、心底驚いた表情で口と手を動かした。
口を動かす我が君の其の口からは、声が伴わない。
我が君は幼少の頃、聾唖者(ロウアシャ)となってしまった。(女君の国の言葉では、聴覚障害者と言うらしい。)
「…我が君、私が相手なのですから、手話は使わなくても宜しいですよ。」
「≪別に良いであろう?吾輩は好んで居るのだから。≫」
パクパクと金魚の口の様に開閉する音を生まない口と同様に、女君から習った手話を其の両の手で動かし、言葉を表し、意思を示す。
手話…唇を見る事により相手の話す内容を読み取る口話法より、手真似であるソレは相手との意思疎通が楽である上に、分かり易い。
最近では、民の者達も手話が多少なりとも分かる様になり、会話が出来ると我が君は喜んで居られる。
(勿論、其処には、我が君の民達との絶え間ない日々の交流と、女君の通訳によるモノだけでなく、民達の優しく聡明なる上昇志向の努力あってこそ成せて居る賜物なのだが…。)
「…我が君、春夏秋冬(ヒトトセ)が2度も廻り去った今でも、答えは変わりませぬか?」
一昨年の丁度この時期に、我が君と共に、拙者は仙女と出会った。
そして、泰平の為の助力を乞い、仙女の事を、斯くも悍ましい危険因子の存在を…知った。
理想の百となるか、現実の零となるか…其の賭けに、我が君は間髪入れず、乗った。
そんな我が君に無礼ながら、正気かと、仙女を即、島から追放するべきだと、怒鳴り散らした。
「(あぁ、幾度思い返しても切腹したい…。。。)」
我が君に対して無礼過ぎる素行を犯した、仕官として有るまじき行為に、拙者はまた己が腹を掻っ捌きたくなった。
「≪莅人、危ない橋も一度は渡ってみて、正解だったろう?≫」
「は?」
「≪農民でさえ、玉の肌や美髪を持ち、其の身からは悪臭もしなくなった。ははっ、皆が雲上人かと見紛う如くになった様だ。≫」
日ノ本には、髪を大事にする風習がある。しかし、洗髪は滅多にしない。序でに湯浴みをする事も…。
『身嗜みには気を使うのに、何で清潔さには無頓着なのかが、謎(-"-?)』
『無駄が多い。体臭が気になって薫物の香で誤魔化す位なら、桶に水や湯を張って、手拭いなり手なりで身体や髪を洗うべき。』
『只でさえ洗わず頭皮が汗や油でベトベトなのに、更に油付けてどーすんの?何処まで粘着質を究めるつもり!?しかも油特有の悪臭で更に悪臭に拍車を掛けてる状態だよソレ!』
『身の清めは出来れば毎日。身分関係無く、皆で。衛生管理は大事だよ。不衛生や不清潔だと、病人や死人を増やすだけだよ。悪循環や死の連鎖は断ち切っちゃおうよ。』
女君は顔を顰めながらそう言った。
目上に対する言葉遣いが、なって無い上に、ずけずけと言って退ける女君に、何度頭痛を感じた事か(-"-)
そんな態度をとる女君に説教をしても聞きはしないし、我が君も気にして無い。寧ろ喜んで居る。
我が君の心情としては、対等に接し合え、同じ目線で望んでくれる相手を得て嬉しいのだろうが、やはり主君としては…(-"-;;)ウンヌンカンヌン
「≪食物も、多彩で、あちらこちらに実を付けて居る。本当に此処は日ノ本かと、疑ってしまう位に。≫」
『乏しい…乏しすぐる;;こんなんじゃ、栄養失調で死ぬ!』
『凶作とか餓死対策もそうだけど、其れと同時進行で栄養価の高い物も育てなきゃっ』
『梅の木・鶏・カラシナ・カボチャ・人参は国内だから入手出来る。最も栄養値の高い野菜のホウレン草とキャベツとつまみ菜、後は色々便利なハーブも欲しいが、国外…orz』
衛生面と栄養面、そして医学…此の3点を重視し、事を進めて来た。
『あたしの世界の戦国時代では、栄養状態が悪かった事と衛生知識が乏しかった事と医学が未発達だった事が短命の原因になってた。うーん、後は…過労死ってのもあったな、うん』
女君の世界の史実と、此方の史実は違う様だが、違って居たのは戦人の史実についてで、其れ以外は大半が酷似して居た。
「そ、ぅ…ですね。我々や民達の努力と協力あってこそ…ですが、其れ以前に、女君の知恵と努力がなければ、絶対に成し得なかった事でしょう。」
「≪努力や協力以前に、思い付きもしなかっただろう。…##NAME1##が居なかったら、吾輩は、吾輩達は、未だに世を憂うばかりで何もせずに終わって居た事だろう。≫」
えぇ、分かって居ます我が君。女君が此の島の大恩ある方だと云う事も、女君が…我が君と同等な程に此の島に欠かす事の出来ぬ御方である事も。
「それでも…女君の存在は、脅威で御座居まする。」
武力も権力も持たない脆弱な存在の娘が、島内1の権力者である我が君の命も、島内1の兵(ツワモノ)と謳われる拙者の命も、島内の人々の命も、島の命運までもを握って居ると謂う其の事実が、現状が…
「≪…そうだな、確かにソレは悍ましい≫」
「…の、割には御顔に笑みが浮かんで居りますが」
我が君の事だ、此の状況を【をかし】な事態だと心を躍らせて居るに相違ない。
可笑しくて、信じられなくて、面白くて、怖くて、嬉しくて、恐ろしくて、楽しくて、悍ましくて…そんな相反する思いを入り交じえて居るのだろう。
「≪そう言うお前は、板挟みにされたかの様な渋面をして居るな≫」
「その様に、お見えになりますか?」
「≪是。【義理と人情の板挟み】の手本の様だ(笑)≫」
「……………。」
図星。返す言葉も余地も無い。
しかし、己は遅鈍でも馬鹿でもない。己が心情位、分かって居る。自覚も理解もして居る。だからこその板挟みなのだと言う事も…。
「≪諦めて、抱え込め、莅人。(苦笑)≫」
しっかりと、解って居る。理屈を捏ねながら、本当は情けない程に億劫になって居る臆病な自分を…
「≪莅人、【来る者拒まず】が、此処の信条だろう?」
仰る通りで御座居ます、我が君。
其れ故に此の島の者達は皆、誰彼構わず…そう、それこそ老若男女・人間・動物・植物の区別なく、容赦もなく、此の島の余す所までの全てが運命共同体なのだと。
「≪此の島に所属して居る限り、繁栄する時も衰亡する時も、運命を共にする一蓮托生の間柄だ。≫」
我が君の言葉が己の中にすとん、すとん、と落ちて行く度に、己を挟んで苦しめて居た板が、徐々に外れて行く…
「≪其の中でも、吾輩とお主と##NAME1##は、同腹一心だと思うて居る≫」
「…恐悦至極に存じます。」
我が君に一生仕えて往く。此の島を守り抜く。
女君の存在は危険極まりない。しかし、彼女の人柄は大変好ましい。
運命共同体と云っても、我が君を、此の島を、泥梨(ナイリ)の道連れとさせたくは、ない。
本来ならば、万が一の為に女君は遠くの地へと放逐すべきだが、女君を欠かす事は、公私の心情共に、したくない。
「≪諦めて、抱え込め、莅人≫」
葛藤も、矛盾も、義理も、人情も、何もかも、【今は】抱え込め。
己が中に取り込み、包み、納めて、甘受し、許容しておけ。
「我が君…」
「≪ん?≫」
「陽翔様の御心の、そして、此の島の天の配剤の、仰せのままに…。」
今は、其れだけで、充分だ。
今は、まだ、現状維持の…このままで。。。
And that's all…?
(それでおしまい…?)
あの年は、絶対何かあると、起こると思ってたんだ。
4才と2才、年の離れた兄貴分達が、奇しくも同じ享年となってこの世を去った年齢に追い付いた、並んだ時期だったから…――――。
自分の属するグループの会合に行って、その後、家に帰宅して、何時も通り自室に籠ってデータと睨めっこしてて…ハッと気付けば着物姿の人達に助けられて居た。
初めは夢の中と思ったが、そうでは無い様だ。おい、転寝してる間に何が起こった?と、随分経った今でも分からず仕舞い。
「(一体全体、ココは何て言うカテゴリに入る夢物語デスカ?(ファンタジー?メルヒェン?…戦国御伽草子●夜叉?戦國スト●イズ?アレ?どっちも戦国時代だ…もしかしてあたしもソレ系??))」
仕方無しに(不満や焦りはあれど)、生きて帰る為と助けて貰った恩返しの為に日々を奔走する中、城から(あたしの噂を聞き付けたらしい)従者が来た。
恩返しとはいえ、流石に知識を暴露し過ぎたかと思ったが、幸いにも、其れが功を成した。
そして、なんと、不覚にも…国主の思想に、人なりに、心を打たれてしまった。(あたしとした事が…(/∀\*)キャッ(笑))
何処ぞの馬の骨ともしれない妖しさ満点のあたしに、己の全てを曝け出してくれた国主。
そんな国主の心意気に打たれて、あたしも全てを曝け出した。洗い浚い吐き出した。
此の世界の人間では無い事や、自分がどういう人間なのかと云う事等、言い淀む事無く伝えた。
言い渋る事も、躊躇う必要も、口籠る要素も何1つとして、自分には存在しなかったからだ。
村人達の話の御蔭で、自分の世界とは違うアナザーワールドって事は分かってたから、自分の世界の歴史に影響を及ぼす事はない。
加えて、自分の抱える危険要素は、その危険性故に、殺されないと云う生命保険にも成る。追放はあっても、殺害は万が一の確率より低い、極々僅かの数値だ。
容認されようが、拒絶されようが、穏便に、安全に済む事には、変わり無い。
だから、受容だろうが、追放だろうが、どちらでも構わなかった。後は野となれ山となれ、の気構えで相手方の出方を待った。
しかし、驚愕こそすれ、物怖じせず…尚且つ、真偽の目を向ける所か、信義を心を差し出してくれた。
とんでもなく度外れた言動を、人間性を披露してくれた国主は、前代未聞と称しても、過言ではない。
だったら、もう、あれだ…惚れるしかないじゃない←
あたし自身の身の上を知っても尚、家臣の猛反対を押し退けてまでも、あたしの手を取ってくれた…。
そんな少女漫画に勝るロマンティックをくれた国主に、此方の世界に居る限りは、心血を注ぐ位、協力をしてあげようと決めた。
「≪##NAME1##。≫」
肩をトントン、と叩かれて振り向くと、彼の口元が自分の名を呼ぶ様に動いた。
「何?陽翔」
其れに対し、私は手を動かし、手話で返事を返す。
「≪有難う≫」
すると彼は元より穏やかに微笑んで居た顔を更に緩めて、手話での会話に応じてくれた。
「今度は何に対して?」
「≪全部だ。≫」
「…そりゃ、また、規模がデカイ感謝だね。」
「≪先刻。町。散歩。行った。しみじみ。##NAME1##。感謝。感じた。≫」
彼は聾唖者(ロウアシャ)、私に馴染みのある言葉で言うなら、聴覚障害者だった。詳しい事は聞かなかったが、幼児期の頃に耳が聞こえなくなったらしい。
「其処は当主らしく視察って言いなよ。じゃないとサボったって莅人に怒られるよ」
『莅人。説教。長い。御免。』
出会い頭の時は大変だった。彼は耳も声も持たないから、会話…意志疎通が出来なかった。
私は、唇を見る事により相手の話す内容を読み取る口話法や、≪此方≫の蚯蚓(ミミズ)が這って出来た様な草書体の解読が出来なかった。
彼の動く口元や、彼が紙に書く文章が全くと言っていい程分からなかった。
加えて、彼にとっても其れは大体同じで、私の書く文字も、唯一、私が聴覚障害者と会話を成り立たせられる手話も、≪此方≫には無かったのだから。
まぁ、しかし彼は口話法で私の言ってる事は読み取る事が出来ていたのだが、そんな一方通行ではしょうがないので、彼の従者である莅人に通訳を頼んだ。
そうして、其の後に手話の事を教えたら、大層喜んで手話を覚えてくれた。(本当に良かった。口話法なんて私には習得出来そうにないから。)
「そりゃぁ、説教のマニュアルを脳内に常備してる超絶生真面目者の莅人ちゃんですから(笑)」
「≪……##NAME1##。悪い発言。致す。≫」(##NAME1##には悪いが言わせて貰う。)
「ん?」
「##NAME1##。渡来。誠。有難う。」(##NAME1##が来てくれて本当に良かった。有難う。)
「フフッ、そう言われる度に、此の2年、物凄い頑張って来たかいがあったって心底思えて、嬉しくなる(*^U^*)」
此処に来てから、まず、最初の1年目が大変だった。
清潔面の事にしても、栄養の面にしても、医学の面にしても、此の島の物資だけでは到底補えない事は火を見るより明らかだった。
日ノ本の本島から仕入れるにしても、まだまだ全然足りない、補えない…だったら、更に外から仕入れるしかない。
…が、日ノ本の現状の海外貿易は、貴金属や貨幣を蓄積して国富を増大させる事を目指す経済思想の重商主義だ。此方の欲しい物は期待出来ない。
だったら独自に貿易するか…と、そうも行かない。貿易とは、互いの取引。しかし、此の島には、交換出来る商品も財貨も無い。それでは交易は成り立たない。成立以前に話にも成らない。
此の島からの輸入は無理。貿易するだけの財貨も物資もない。なら、現地調達しかない。
あたし達が、まず目指すのは、たぶん、【農は国の本(基)】と、謂う所の農本主義に近いモノだから。
そして、どうこう考えても、其の適任者はあたしだけしか居ないし、行けるのもあたしだけだ。
其れを言ったら、陽翔と莅人に猛反対をされた。
「≪否。女子。一人旅。断固。不承諾!!!≫」
「我が君の仰る通りです!重役である貴女がそんな下役を…そもそも島を初っ端から離れるとは…有るまじき事です!」
こ い つ 等 は 莫 迦 か ッ !
よぉ〜く、考えてみ?確かに君達の言い分にも一理はあるだろうさ。
けどね、あたしの言い分の方が多分にあるんだよ!それこそ百の道理も千の理屈も有るって言える位。
何も無い状態で何が出来る?紙やペンがない状態で、書物が出来るか?食材がない状態で、料理が出来るか?…答え、何も出来ない。
現地調達の交渉に、異国語による会話は必須。現時点で、異国語を話せるのはあたしだけだし、調達出来るモノや場所を知って居て、偽物を掴まされたりする危険性が低いのもあたしだ。
現地調達にあたしは必須項目。では、何故1人と云う結論に達したか…―――
答えは簡単。人で不足。只でさえ(日ノ本一)人口の少ない国だ。ボディーガードに連れて行ける程、人手は割けない。
島の人口300足らず。男女の比率は約五分五分。農民は4分の3以上。武力に長けた人は4分の1以下。
今の生活でさえ、皆は手一杯。そんな皆には、国内で出来る交渉と作物の栽培やらを頑張ってして貰わねばならないのに、更に負荷を背負わせるとか…鬼か!過労死させる気か!
「だからと言って、貴女だけで現地調達は承服しかねます。」
「≪是。大体。1人。何。出来る?≫」
「幾ら貴女と言えど、危険が高過ぎる上に、成功率も低い。更に効率が悪い。…自分1人で何でも出来るなど、過信も程々にしろ。此方の世界を甘くみるな。」
「ぅ…ぐ…だって、そんな事言ったって…」
「≪##NAME1##。頼れ。≫」
「……。頼れって…人手なんて、此の島のどっからも割く事、出来ないじゃない。なのに、誰を、どう頼れと?」
「我が君、こうなっては仕方ありません。風来の君に頼んでみては如何でしょう?彼はどの国にも属しては居りません上に、口も固い。」
「≪後。異国。チカ。船。協力。≫」
「確かに、海賊の君の船ならば、移動の時間短縮も、本島を行く危険性も限りなく低くなり、旅の安全性は最善ですが、其れ以外では不利益な上に有害性が多発してしまいます。」
「あの、ちょ…」
「彼は、一国…其れも大国の国主で、知名度も高い。当然、他国の間者も国に紛れて居る事でしょう。その彼を頼れば、女君の存在、我々の成そうとする事、全てが公(オオヤケ)に成ってしまいます。」
「≪仕方。無い。頼みの綱。慶次。のみ≫」
「彼なら社交的であるし、適応能力も高いです。何より秀逸の実力者です。ただ…男女の2人旅と云う事実が、不誠実で難点なんですよね。」
「其処はあたしの貞操を難点にしてよ。」
「
陽翔
障害者。
皆から好かれるチャームの持ち主。(←何其の逆ハーの王道設定 by##NAME1##)
本島のお偉いさんの血筋の末裔。
島大好き国主
本島の武将嫌い
島の人間以外にはシャイ
どれ位シャイかと言うと、本国の人が訪ねに来たら、布団にくるまってじゃなきゃ会えない。
会うまでには莅人と##NAME1##が部屋の襖をこじ開け、引き摺り出さないとならない。
莅人
憂鬱、溜息人間
島では数少ない健康体の1人。
島と陽翔以外の事には無関心
島人と陽翔に褒められると照れる。萌えポイント
返事は大概、『はぁ』溜め息は『はぁー』語尾を伸ばすか伸ばさないかで、返事か溜め息かを判断する。
島唯一の戦闘力。
風のバサラ者。
我流の為、風使いみたいな特有の技を使う。
##NAME1##を身内(島人)と思えない。
凄いと感心や島に尽くしてくれる事には感謝してるが、敬遠気味。
嫌悪感が拭えない。おぞましさと言った方が正しいか。
##NAME1##
島の仙女?
やる気無しの無表情。
声音のトーンや台詞で喜怒哀楽を表現する。
面倒見が良かったり恩はしっかり返したりと律儀だが、何処か事務的。
島唯一の(非)戦闘力、其の二。
島に名は無い。
本島からは『病死島』や『爪弾き島』等と録でもない名で様々に呼ばれる。
##NAME1##は国主の陽翔に習ってシャイ島とか揶揄する。
偉い人や強い人が陽翔、莅人、##NAME1##の3人しか居ない。
それじゃぁ、国的にも、しょーがないので、取り敢えず、暫定国民主義的な政治に最近乗り出した。
其れまで代表はやっぱり3人。
半兵衛を助けた理由
意図は無い。只、縁があっただけ。
仙女こと、##NAME1##は、島を離れ、前田慶次と行動を共にして居た。
何故、島に居ないで風来坊と行動を共にして居るのかと言うと、海外に行く時の共として、2年間もの間、ずっと旅に付き合ってくれたからだ。
其の事に対し、特例として、本国をどうにかしたいと言う慶次の願いに手を貸す様、国主から命じられたからだ。(まぁ、至極簡単に言うと、あれだ、つまり、恩返しだ。)
「慶次、次は何処に向かってるの?」
(慶次)「ん?奥州だよ」
慶次と一緒の馬に揺られながら、彼を見遣る。(だって、馬乗れないもーん。)
すると、前を向いて居た慶次の顔が此方に視線を落とし、素敵な笑顔を湛(タタ)えながら返答をくれた。
慶次の実家から追い立てられる様に飛び出し、越後で談笑し終えた今、如何やら次の行先は伊達政宗で有名な奥州らしい。
ポツリ
ポツリ
奥州に入ってからと言うもの、天候が怪しくなり、晴れ晴れとして居た空は曇り空と成り、案の定、ザァーーーっと雨が降って来た。
「うっわ。ツイて無い。」
しかし、少しの幸(サイワ)いか、城の前に着き、門番やってる連中に馬を預け、傘まで貸して貰った。ラッキーである。
慶次の半歩後ろを歩く。
そして、暫く歩いて、辿り着いた先には、2人の男性。
(慶次)「奥州名物、独眼竜ってぇのは、あんたかい?」
其の男性2人に向かって声を掛ける慶次。
(政宗)「あん?」
(慶次)「門番やってる連中に此処だって聞いて」
(政宗)「餅が食いたきゃ、茶屋へ行きな。」
(慶次)「簡単には食えそうにねぇな。…ま、覚悟の上さ。」
頬を掻(カ)きながら、一瞬、苦笑を浮かべた後、口元には悠然(ユウゼン)と笑みを浮かべ、けれど、頬はキリリと精悍(セイカン)に。
緩やかに慶次から漂(タダヨ)い始める緊張感に、##NAME1##も背筋を正す。
(小十郎)「政宗様に何の様だ。仮にも奥州筆頭を前にした以上、まず、テメェから名乗るってのが、筋ってもんじゃねぇのか。」
(慶次)「おっとぉ、こいつは…俺は前田慶次。以後お見知りおきを。こいつは夢吉。」
(夢吉)「キキィ!」
(慶次)「そしてそして、此の場で唯一の一輪の華的存在の此の子が奇野 ##NAME1##ちゃん!」
慶次の手が半歩斜め後ろに居た##NAME1##の背中を軽く押し、前へと押しやる。
政宗と小十郎の鋭い視線が##NAME1##へと突き刺さる。
其れに気圧(ケオ)され、少し冷や汗を掻いた##NAME1##は、バッと素早く慶次の背に隠れる。
(慶次)「何だよ。恥ずかしがる事無いだろ?」
飄々と、肩越し此方を見て言う慶次に、『違うわっ、馬鹿!』と言う意味を込めて其の背中をバシバシと叩く。
(慶次)「いててて、分かった、分かってるって。…あんた等も、女の子相手に、そう睨まないでやってくれるかい?怖がっちまう。」
対して効いて無い癖に、痛がる振りをして、未だに尚、険しい表情で此方を睨んで来る2人に助言をする慶次。
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解せぬ花