Pkmn 03
恙無(ツツガナ)い平穏無事な日々と別離したのは、10歳になった時から。
インディペンデンス
誕生日を迎え、法律上では大人と呼べる10歳になった途端、翌月から毎月振り込まれて居た父親からの仕送りが、パッタリと止んだ。
其の事に対して、『(滔々(トウトウ)、父親も他界したかな?)』と思った。(何せ職業が職業だったから)
其れから数日経ったある日、ポケモンの訪問兼お届けモノがあった。
真っ黒のミュウの訪問と、其のミュウが差し出して来た、遺骨ペンダントと、手紙にしては実にお粗末な紙切れに書かれた、メモ書きの様に走り書きされた短文メッセージ。
手紙には、『俺はもう所持出来ないから、お前が持つなり墓に戻すなりしてくれ。』
そして、不自然に端っ子に書かれて居た、見逃してしまう位の極小サイズ『頼む。』の文字(メッセージ)。
遺骨ペンダントは、調べてみて驚愕した。
たった1つの宝石を鎖に繋げただけの比較的シンプルなデザインの遺骨ペンダント。
其の宝石の中にある一欠片の骨は、何と母親の物だった。(何時(イツ)の間に、母親の墓を荒らs…取り出しに来たのだろう?)
そして、不自然で引っ掛かる、納得の出来ない事が2つ。
1つ目は、ペンダントの宝石。
色彩、透明度などの鑑賞的価値の高い、美しい外観のソレは、とある月の誕生石として使われる物だった。
しかし、其れは埋め込まれて居る遺骨の誕生石では無い。つまり、母親の誕生月の誕生石とは、全く違う月に該当する物だったのだ。
2つ目は、『頼む』のメッセージ。
文字の大きさと、書かれた場所の、違和感を与える其れ等が無ければ、普通に前文に記してあった、≪ペンダントの処理を“頼む”≫と云う解釈で、納得が出来ただろう。
けれども、書くのを迷いながらも結局書いた様な…、書いた時の情けなさが滲んでる感じが…、其れでも切願するみたいな…、そんな切ない印象を与える其のメッセージ。
前文の投げ遣りみたいな、どうでも良いと言う感じの粗雑さとは、全く逆の印象や温度差を表す其の不自然さが、前文とは噛み合わず、別件での頼み事だと証明して居る様に思えて仕方が無い。
う〜んう〜んと、頭を悩ませるも、其の時間は短く、案外あっさりと疑問は解消させた。
…御風呂上がりで、家をフワフワと浮遊しながらチョロチョロと徘徊して居たミュウによって。
ちなみにミュウは真っ黒じゃなく、薄い桃色の体毛だった。
全身、真っ黒だったのは、大量に浴びた血が酸化したせいだった。(ホラーかよ!?)
しかし、其の酸化した血をDNA鑑定したら、見事、父親の物と一致したから驚愕も2倍である。
「良かったね。危うく君の渾名(アダナ)が【まっく●くろすけ】になる所だったよ。」
(ミュウ)「ミュ?」
「知らない?某有名映画の妖怪、煤渡りの別称だよ。」
And that's all…?
(それでおしまい…?)
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解せぬ花