奇野 もずめ 02




私が前世での記憶を思い出したのは、"個性"が発現されるという4歳の時だった。



残念ながら、私は“無個性”だった。



まぁ、そりゃ、仕方無い。

転生出来ただけでも、儲けモンだと言うのに、“此の世界”特有である能力まで授かってしまったら、其れこそ、罰が当たる。


しかし、不満が、ある。

折角、前世では感染血統奇野師団、所謂、《病毒遣い》として過ごした日々は楽しかったのに、“今の身体”は、“此の世界”は、満足しない。


物足りない。

物凄く、前世の体が欲しい。

しかし、其れは、無い物ねだりだ。


なら、1から、自分で、作り上げて行くしか無いと、思った。

思い立ったが吉日、私は家族も、仲の良かった幼馴染2人も捨て、1人旅に出ようと思った。

我ながら欲求に素直と言うか、軽佻浮薄(ケイチョウフハク)と言うか、薄情者だと思ったが、そんな事は、どうでも良い。


まずは、国外からだ。

きっと、国内では行方不明として、少し騒ぎに成るだろうから、国外の“病毒”から搾取して行く事にする。



こうして、私は、再び、いや、“奇野”としての、自分自身を取り戻す為に、旅に出ようとした。










And that's all
(それでおしまい…?)

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解せぬ花