グレた夢主ver.(MHA:荼毘夢)




・学アリ→MHA

・学アリ夢主(原案と違い、裏任務もバリバリこなせる、COOL系しごでき女子。平凡じゃない。 )

・オリキャラ有り。(MHA世界が漫画として存在する世界からの異世界転生で、所謂、原作知識有りで、逆ハー狙いの転生夢主。尚、チヤホヤされたいだけで、原作改変は興味ないタイプ。デフォルト名:愛野 夢子。)

・最初は、荼毘がオリキャラ夢主に好意を寄せてるが、学アリ夢主との遭遇後、オリキャラ夢主を想いつつ、チラチラ頭を過ぎる学アリ夢主を気にし始める。最終的に学アリ夢主に夢中(?)になる。

・つーか、敵連合→学アリ夢主。になる予定。どんな展開にしたって、学アリ夢主からしたら、傍迷惑な一方通行にしかならない。



―――― ★ ――――



「ん……は?」



目を開けて、飛び込んで来たのは、薄暗い景色。

両手両足には、錠がかけられている。



「…あぁ、」


思い出した。目を開ける前の事を。

“ハムちゃん”のおつかいの途中で、偶々、指名手配犯の荼毘と遭遇して、あっさり負けちゃったんだっけ。

不意打ちドッキリ嫌いなんだよなぁ…おかげでテンパっちゃって、やられちゃった。



「ったく…こんなとこに監禁して拷問でもする気??」



ま、殺されなかっただけ、良しとするか。だって…



そう言って、目を開けた時から、部屋の唯一の出入り口であろう扉に寄り掛かっている荼毘に声を掛ける。




「…ハッ、起きンの早すぎだろ。イイ眠りだったかァ?(笑)」

「何?いたいけな子供を襲って縛って閉じ込める性癖嗜好(パラフィリア)の人?だから指名手配犯されてんの?w」

「そう尖った声で詰(ナジ)るなよ。寝起きはご機嫌斜めなンだなァ…夢子ちゃん?」

「…は?夢子って、誰??」

「あ゙?お前、夢子じゃ…」

「誰と勘違いしてるか知らんが、私は夢子じゃないよ。」



そう言って、焼け爛れた継ぎ接ぎだらけの誘拐犯を睨みつける。



「つまんねェ嘘吐くなよ。そのツラは、これに写ってる愛野 夢子と全く同じツラだ。」



荼毘はそう言って近付いてきて、スマホに写し出された雄英の制服を来た…“今の私が顔を拝借している”少女の顔写真を突き付けながら、私の両頬を片手で挟むようにしてブチュっとかなり強く触り、モニュモニュと揉んできた。



「んぶ!(すっっかり、忘れてた。)」



今は、後輩の五島君の『全身を粘土のように自由自在に変えるアリス』で顔を変えてるんだった。

人違いで、こんな目に遭ってるなんて、ふざけんな!って、さっきは思ったけど…うん…これは、私にも非があるわ。



「誤解させちゃって、ごめん。色々あって、この子の顔に変えてるの。」

「は?……イカレ女みてェな個性って事か?」

「イカレ女さん?は、分かんないけど、全身を粘土のように自由自在に変えるアリs…ゲフンッゲフン、個性で…はい。」

「……変えてみろ」

「いや、この状態じゃ出来ません。」



縛られた両手を主張するように胸元まで持ち上げて軽く振る。




「…分かってると思うが、少しでも変な動きをしてみろ、燃やすからな。」




そう言って、荼毘はポケットから鍵を取り出し、手の錠を取り外す。

自由になった手で、ぐりぐりぐりと弄って、顔を変えていく。


ぐにっぐにゃ…ゴキ、グギ…ぐちゅっゴキ…ブスン、むにょっぐにゃ…



「(気色悪ィ効果音だな。)」



顔を変え終え、その顔を見た荼毘は、あからさまにがっかりとした落胆の色を見せる。



「あーー……まじか」

「信じて頂けたようで、何よりです。」

「おっかしいとは思ってたンだ。不意打ちにしたって、夢子ちゃんにしてはトロかったし、あっさりやられちまうし…ヒーローの卵なのにだぜ?」

「そりゃ、夢子ちゃんとやらでも、ヒーローの卵でもない、私でしたからね。」

「でも、納得したよ。どーりで、夢子ちゃんらしい可愛さも華やかさも見られなかった訳だ。ガワだけ真似た偽者じゃァな。」

「(愛野 夢子ちゃんとやらは、マドンナタイプらしいな。)」

「そーだよなァ、あの夢子ちゃんが1人でノコノコ歩いてる訳ねェよなァ。そんなの周りが…特に、クソヒーロー共が許す筈がねェ。」



ブツブツと荼毘の呟きを聞くかぎり、夢小説に出て来そうな逆ハーヒロインっぽい子らしい。



「加えて、夢子ちゃんの個性は、俺の役に立つ。」

「私で残念だったね。」

「夢子ちゃんじゃねェし、個性もトガとダダ被りだし、トロ過ぎて使えねえ奴を引き入れても、意味はねえだろ。なら、こいつは…要らねえよなァ」

「じゃ、もう私に用は無いですよね?足の枷も外してくれませんか?『人違いでした、ごめんなさい。さようなら』ってことで、解散にしましょうよ。」



「はい、そうですね。」なんて、なる訳がない。

このまま解放して帰せば、すぐに通報されて、ヒーローやら警察やらで、周辺一帯が騒がしくなる。それだと面倒だと感じた荼毘。

なにより、夢子じゃないことに、1番、腹を立てていた。好きな奴と“同じ”になれる個性。可愛くて綺麗で天使のような夢子に憧れる気持ちは、分からなくもない。トガだって、しょっちゅう「夢子ちゃんになりたい」と、ほざいている。



「恨むんなら、夢子ちゃんの姿で、俺の前に現れた、自分を恨むんだな。」



つい、と。荼毘の瞳が冷めた色を乗せて、彼女を見下ろし、手を近付け、青色の炎を灯す。


『絶体絶命』『万事休す』


誰がどう見ても、そう思う状況だ。しかし、彼女はそんな事、微塵も思ってなかった。



「こっちが折角、穏便に済ませてやろうと、取り計らってやったのに…」



先程までの会話での声より、明らかにトーンが下がっている声音で言葉を発し、彼女は荼毘と同様に、氷のように冷ややかな視線を向ける。

普通なら、泣き喚いたり、必死に命乞いをしたり、罵詈雑言を浴びせたりと、部屋の中が喧しくなる場面と化す筈なのに、その真逆で、しん…とした静寂が、部屋の空間を埋める。



「そのチャンスを台無しにしやがって、馬鹿な奴。」

「あ゙?何言って…状況、分かってんのか?」

「分かっていないのは、そっちの方だよ。元々、私に、非は無いに等しいけれども…」



貴方の大好きな夢子ちゃんの姿で期待させちゃったのは、申し訳ないとは思ってる。

でも、いきなり襲ってきて、拉致して、監禁して、殺そうとする…その全てにおいては、全面的に荼毘が悪い。



「こうなったら、もう容赦はしないから。」



ナルちゃん先生のアリスは、恋愛沙汰に免疫力がない子供に使うと気絶してしまうほどで、制御アイテム無しなら、大人でも気絶するくらい超★強力で、男女も問わず、自分の虜にできる。その力を宿したアリス石を使用する。

荼毘は、不可解な発言の数々に、ついそちらへと意識をやってしまった。そのせいで、炎を出す手の動きが、一瞬だけ、止まる。

彼女はその隙に、『フェロモンのアリス』を、強火と中火の間くらいをイメージして瞬時に調節をする。そして、“大人が気絶する程じゃないけど、我を忘れる程度”の力加減で、ぶわっと、一気にフェロモンを放出する。



「後悔しても、もう手遅れだね。」



ゾッとするほどに冷たい声で、クツクツと喉を鳴らし、何処か苛立たし気で楽しげな彼女の姿を最後に、荼毘は我を忘れた……―――。。。




この時のことは、未だに荼毘は後悔している。

だから、ここから先の記憶は…己の尊厳の為にも、『自粛』。


焼き殺す

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解せぬ花