「続きまして、今期生徒会役員の紹介です。副会長は諸事情により欠席、並びにこの後行われる予定の風紀委員長からの挨拶ですが、これも諸事情により中止とさせて頂きます。では、生徒会長さんお願いします」
「あー、三年Aクラスの佐東 彰(さとう あきら)だ」
放送委員の長い前置きが終わると、180あるかないか位の背丈の、いかにも俺様な感じの生徒がマイクを手にとった。
正面を見つめようと上げた顔とともに、なびくきれいな明るめの茶髪は、ウルフのような髪型で少し長く、襟足まで届きそうだ。
鋭く男らしい、それでいて整っている上がり眉。その下にある、つり気味だが威圧感を感じさせない目。朱色がかった透き通るような茶色の瞳は、静かに全校生徒を射抜き、彼らの登場とともに上がり始めた歓声やざわつきも一瞬で霧散する。
「俺が今期の生徒会長に就任した。在校生はもう知っているとは思うが、新入生は初めてだろう。生徒会長として、精一杯やっていくつもりだ。以後、宜しく頼む」
そう締めくくると、薄い唇を横に結んで、会長は隣にマイクを手渡す。
言葉遣いはやっぱり荒いけど、それでも充分だ。俺様にしてはツンデレ要素も見込めて、いいんじゃないかな。
ふはは、この俺様面が、来たる(かもしれない)王道転入生によってデレる姿、しかと(天井裏から)見届けてやんよ…!
そんな事を考えながら、マイクを目で追い隣をみると、会長よりも少し小さい位置にあるブロンドの頭が見える。
染めただろうその金は、きつくなく目に優しい色で。前髪は上にあがっていて、何本かのピンで無造作にとめられ、後はきれいなストレートで下ろされている。
白い肌に細めの上がり眉と、睫毛の長いけだるげな垂れ目。さらにこちらから見て右目には泣き黒子という、色気を醸し出すような目元。口角が上がった唇は途中でふにゃんと曲がり、猫のようになっている。
そこから紡ぎだされた言葉は、ゆるい口調とともに発せられた。
「っと、三年同じくAクラス、会計の相楽 恵(さがら けい)だよ〜。よろしくねえ?」
上がりぎみな語尾の後に放たれたウインクは、瞬く間に体育館中へ歓声と一緒に広がっていった。
はあい、というこの場に似つかわしくない声で、またマイクが隣に手渡される。
双子会計もいいけど、チャラ男会計もいいよね…。あの顔立ちは、正にチャラ男なんじゃないかな!ひゃっふー!
俺意外とチャラ男受け好きなんだよね…、タチでセフレたくさーん、とか思われてると油断してたら、いつの間にかあれよあれよと押し倒されてネコちゃんに!なパターンとかたまりませんなあ…!ふひひ!
さあ次(の獲物)は誰だ、と隣に視線を移すと、美丈夫という言葉がぴったり当てはまる、黒髪のさらさらな短髪が見えた。