疲れたから帰ろう
私は寄り道せず真っ直ぐ家に帰った
「ただいまー!」
「おかえりー遅かったね」
ギクッ
「いやーちょっとね。色々あってさー」
「そうそう、さっきひろし君訪ねてきたわよ」
「本当ー?なんだってー?」
「まる子が帰ってきたら、いつもの空き地で待ってるって伝えておいて下さいって言ってたよ」
「はいはい、あそこねー今すぐ行きたいけど、お腹減ったよー」
「今日はお祭りだから、晩御飯は太巻きだよ!」
「やったぁー!」
「あっ、切ってあげるから、ひろし君と一緒に食べたら?」
「うん、そうだねーお母さんありがと!」
服を着替え、お母さんの作った、太巻きと飲み物を持って、
ひろし君と最初に出会った、空き地へと向かった
「ごめん、ごめん遅れた」
「よう!また、補修か?」
「へへっ実はそうなんだ、それより…じゃん!差し入れだよ♪
またカメラに夢中で何も食べてないでしょ?」
「おー!気ーきくな、実は腹減ってたんだ」
「まる子もペコペコだよ」
「その前に見ろよ!」
「えっ珍しいね三脚なんて立てちゃって。カメラで何とるの?」
「天の川だ」
「天の川!?えっ撮れるの?」
「さっきから、シャッターチャンスを探して挑戦してんだけど、
今日は月もでてるから、光が強くてなかなかいいのがとれないんだ…
腹も減ったしさ」
「でも星は難しいよねーじゃあとりあえず、これ食べよ!」
そう言って2人で、太巻きを食べ出した
「うまいなぁーまる子の母さん作った太巻き。久しぶりだな太巻きなんて、食べんの」
「でしょ?まる子もお母さんの太巻き好きなんだ」
2人とも相当お腹が減ってたせいか、無言で太巻きを平らげた。
「ごっそうさん!あー食った食った」
ゴロンと草むらにひろし君が寝転んだ
「あーまる子もお腹いっぱい」
ひろし君につられ、私も草むらに寝転ぶ
2人して空を見上げる
たくさんの無数の星が瞬き、空には天の川らしきもの。いわゆる銀河が見える
「今日は本当星がきれいだね。手を伸ばせば掴めそう」
「そうだな。こうやって星空を観てると、なんか全部どーでもよくなってくるしな」
「どうしたの急に?」
「別にー。
まぁ俺受験生だし色々あんだよ、進路とか」
「受験かー考えただけでも嫌だな」
「だろ?俺はその真っ只中に、お前と空き地に寝転んで星をただ観てる。勉強してる奴もいるのに。
でも、この宇宙(そら)を観てたら、なんて俺はこんなちっぽけな事で悩んでんだって」
「ハハ…そうだねー今日赤点とったことなんて、どうでも良くなってくるね」(しっかり気にしている)
「なんかお前と、いると本音ばかりでちゃうな」
「だって最初に会った時に女子って感じしないからって言ってたしね」
私は少し意地悪そうに言った
「そんな事ねえよ!」
「えっ?」
冗談のつもりで言ったのに意外な返事が返ってきたので。私は黙り込んでしまった
「……」
「……」
サーっと風で揺れる草花の音だけが鳴り響く
少し経ってから
するとひろし君が口をひらいた
「俺さーお前と会ってからもう、4、5年たつし中学生になったら、だんだん俺から離れていっちまうんじゃないかって思ったけど」
「うん」
「お前は全然変わらなくて、変わったのは俺の方みたいだ」
「ううん、ひろし君は何も変わらないよ!あの時のままだよ。」
「俺自身は変わってねえけど。気持ちが」
「気持ち?」
「どうやら、一緒にいるうちに惹かれていったみたいだな。」
「何に?」
「まる子に」
「!?」
突然の告白に私は目を丸くした。
まさか私がちゃんと「女子」として見られるとは思わなかったからだ。
私もひろし君が好き。
だけど、きっと、私は「妹」扱いしかされてないと思い、一緒にいられるなら、それでもいいと思っていた。
「じゃーまる子変わっちゃうじゃん。ひろし君の「友達」から「恋人」という存在に」
「えっマジかっ!?ハハッ。そうだなー変わったな」
「うん。ずっと夢とこの気持ちだけは変わらないといいね」
「変わんねえよ。きっと…」
ギュッとひろし君が私の手を握る
「ずっと好きだからな」
「まる子も!」
すると
ヒュ〜ドン!
花輪君の家の方からたくさん打ち上げられている
「花火きれいだけど、もったいねえな」
「何が?」
「こんなにきれいな星空なのに、わざわざ花火打ち上げなくてもいいよな」
「そうだね。これじゃー天の川の写真はこんなに空明るいと無理だね」
「あーあ。そうだな。ちぇ」
「本当は、今日、その花火打ち上げられてる家に誘われてたんだ」
「…ふーん。そっちの方が良かったか?」
ちょっとヤキモチを焼き気味に、ひろし君は言った。
「ううん。だって花火よりきれいな星空観れたし後ね…」
大好きなあなたと結ばれたんだから…。
END
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