ひとつ
クロロは珍しいものが好きだけど、僕は強く育つ見込みのある青い果実にしか興味はなかった...はずだった。
だから、気まぐれに旅団の仕事に顔をだした時に獣人について聞いた時には興味の欠片もなかったんだ。
ただ気まぐれに、暇だから手伝ったんだと思ってたんだけどなあ...。
*
「たまには手伝え。」
クロロは基本的に僕が自由にしてても何も言わないけれど、たまに強制されることがある。
だいたい強者がいる時に呼ばれるから僕も結構楽しめるんだけどね。
この日もそうだった、ただの豪邸に見えた割にセキュリティはしっかりとしているその家には念能力者が3人程いた。
「クロロ、ただの家にしてはすごいセキュリティだね♡」
僕はゾクゾクがとまらなかった。
本や宝には興味はないが、あぁ今日は来て正解だ。
「ここは獣人の収集家の家だ。」
「獣人?」
来る前に説明聞いただろっとマチが酷い目をむけてくる。
「なかなかみれない種族だぞ」
「ふーん。」
あまり興味はなかった。
「...見かけたら捕まえればいいの?」
「いや、宝のありかを聞きたいんだ。」
本を開きクロロは見せてくる。
犬の足跡みたいなものがその本にはかかれていた。
なんでも獣人の言葉らしい。
「その獣人って喋れるのかい?」
「人と生活してたことがあるみたいだからたぶんな。」
「曖昧だねえ。」
「最新の情報で80年前の書籍だからな。」
ただここに何かあるのは間違いない。
そのぐらいこの屋敷は強者がいる。