ふたつ

獣人は数を減らしている。
中でも草食動物の獣人は弱く、既に絶滅したのではないかと言われていた。

捕獲専門のハンターから高値で引き取ったとき、今まで隠してきた趣味だったのに思わず友人数人に嬉しさのあまり話してしまった。

それがこの結果だ。
やはりどこからか噂を聞きつけた有名な盗賊団、幻影旅団が屋敷に押し入ってきた。

セキュリティ万全のはずだったが突破され、ハンターも倒された。

このままではこの子達が奪われてしまうかもしれない。

この子達は芸術のような美貌を持っている。

奪われる前に自分のモノにしなくては...。

今までは宝石のようにしていた大切にしていた私のコレクションも人に盗まれるくらいなら穢してしまおう。


*


危機的状況になると男性の本能か、子孫を増やさなくてはという状況になるからか、性的欲求が増すと聞いたことがある。

今自分はまさにその状況だった。

この幼い少女に欲情している。
手を出すならこのレアなうさぎだろう。

何度も妄想はしたが、良心から手は出していなかった。

可愛く着飾らせていたドレスに手をかける。
「やぁ!」
人の姿だったうさぎは危機感を感じ、獣姿になり彼の顔を蹴り飛ばし、2階の窓を割り、外へと何も考えずに飛び出した。


*

落ちるっ...!
痛みを覚悟して私は目をつぶる...が、想像した衝撃は来なかった。

ぽふっと誰かが下で私をキャッチしてくれたようだった。

「...うーん?♡まさか空からうさぎが降ってくるなんて思わなかったなあ♢」

私をキャッチした人物は首を傾げて、私と目をあわせた。

「ぴえろ?」
思わず絵本で見たような姿に、ポロリと思った言葉を述べてしまう。

はっ...喋ってしまった。うさぎの姿なのに!
バレてしまうと逃げようとした時には遅く、逃げれないくらいに抱きしめられてしまう。

「なるほどね、クロロが探してた獣人ってきみのことか♡」

また捕まえられるのっと私は恐怖して、ジタバタ暴れた。

「こらこら暴れないの♤」
私の反撃は虚しく、なんの効果も無かった。