捨てられるくらいなら
数年前にお得意様の紹介で出会った彼はとても変わった人だった。
ピエロみたいな姿の快楽殺人鬼。
有名な人物だったから情報は知っていたけれど実際に会うのはとても緊張した。
情報屋と夢見を生業としていたから殺し屋、マフィア、政治家、盗賊、警察いろんな人と関わることがあったが中でも彼はとびぬけて異質。
何を考えて居るのかわからない。
「こいつヒソカ、リリに会ってみたかったんだって」
イルミは表情1つ変えずに私の紹介を彼にしだした。
にこっと愛想笑いしていつもどうりのセリフを言う。
「そう。私に会いたいってご要件は?」
だいたい紹介で来る人物は要件があって来る。
「ないよ?ただ君の噂をきいて、相当な念使いで強いのかと思って会いに来たんだ」
彼がウインクしながら答える。
彼は戦闘狂だ。
「ご希望に添えなくてごめんなさい、私戦うのは苦手なの。」
彼は上から下まで私の体をまじまじとみる。
戦闘が苦手なのは嘘ではない。
もとの力が弱いのだ。
「たしかに見た感じあまり筋肉もないし、弱そうだ。」
ふーんと興味が失せたようだった。
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