ネタ帳

いつか書くかもしれないネタだったり、ボツな小ネタだったり。

▼2024/07/27:無題

◆加瀬さんと恋人(梨央妹)

一緒にいる時だけはなるべく甘やかそうとしていたが、思えばいつも、我慢ばかりさせていた。

「か、加瀬さん」
「ん」
「早く、お姉ちゃんのところ、行ってあげないと」
「……わかってる、」

手の中で震え続けるスマホ。会社でトラブルが起きたらしく、デートの途中で梨央社長に呼び出された。そろそろ行かねばならない。けれど、加瀬は気づいてしまった。自分を笑顔で送り出そうとした、腕の中に収まった恋人の瞳に一瞬過った、一抹の寂しさに。気がつけば、考えるよりも先にその体を抱きしめていた。

この子は、自分に似ている。愛に飢えているのに、他人に見返りを求めないように、自制するところが。
本当は、誰よりも甘えたがりで、いつも散々かまってくる癖に。姉と自分の仕事が少しでも関わってくると、それを見せないようにとやせ我慢するいじらしさに、加瀬はどうしようもなく心を揺さぶられた。

あんな目を見て、どうして、離れられようか。小さく息を吐いて抱きしめる力を強めると、そっと背中を頭を撫でた。

「でも今は、こっちが先」



* * *



自分の恋人の加瀬の世界は、基本梨央社長と仕事が中心に回っていることを頭で理解してはいても、たまに寂しくなっちゃって、それをポロッと目に出してしまう主人公と、それに気づいた加瀬さんがたまらなくなって、ああもう!と抱きしめちゃう話。いや長いな説明。



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