「ヨホホ!よ、4億ベリーって……」
「ルフィより上じゃねぇか!!」
「おめぇ強ぇのか!!よし勝負しろ!」
「アホかてめぇは!そんな状況じゃねぇだろ!!」
「おまえ、スーパーな野郎だな…」
「気まぐれの
その手配書の額に目を見張った一味はザワりとした瞬間、ギャーギャーと騒ぎ出す。そこでふとロビンが呟いたことにより、喧騒は落ち着きを取り戻し、皆が耳を傾ける。
「確か、海賊にも海軍にも属さず、且つ盗むことを得意とし、その能力は、相手の'能力'でさえ奪えてしまうと言われる――」
「の、能力も!?」
「無敵じゃねぇかっ」
「詳しいですね!あまり公にはなっていませんが、私はロブロブの実を食べた能力者――強奪することが自分の最大の武器でございます。」
まるで司会者のように足を引き、手を胸に添えながらお辞儀をする姿は優美で紳士的だ。でもその話が本当なら危険な人物であることには変わりはない。
またしてもピリっとした緊張が走ると、やっとこさ目を覚ました剣士が甲板のざわつきに不審に思ったのか輪に入っていく。
「なんだてめぇ、誰だよ」
「いや!聞いとけよっ!!」
パシンと勢いのある痛みは彼の頭に直撃した。彼は「いてっ」と言いながら、頭を掻く。
「もし戦闘になった場合、手助けになりますし、必要であればお金もお支払い致します!」
「あら!ほんと!?」
「おい!」
ナミの目の色が一瞬にしてベリーに変わる芸当はもはや皆慣れっこである。するとずっと黙っていた船長が声を出した。
「困ってるなら助けてェけど、お前、なんか胡散臭いやつだなぁ」
「そもそもてめぇはなんでこんなところに一人なんだよ」
船長にしては珍しく渋る様子。それに一同は驚いていると、ズバッと皆が思ってるようなことを言ってのけるのは彼の人柄なのだろうか。それに続いてサンジが煙草をふかしながら問うと、彼とも彼女ともとれる人物は苦笑しながら答えた。
「怪しく思わせてしまってすみません。先日まで違う船に乗っていたのですが、私の事を海に捨てようとしたので潰してしまいまして」
へらりと笑った姿に一同はピシリと固まる。いやいやいや、え?とウソップやチョッパーやナミには焦った顔が浮かぶし、ブルックは骨をガタガタさせてるし、フランキー、ゾロ、サンジ、ロビンなんかは警戒心を強めた。
ただ船長だけはムムっとするも瞬間、にししと歯を見せて笑うと、その人の肩に手を置き――
「おまえ、海賊っぽくていいな!!仲間になれ!」
「「「「なんでだよっ!」」」」
盛大なツッコミが船長を襲う。
言われた本人はキョトンとするとクスクス笑い出す。
「ははっ、そんな風に言われたの初めてだ…」
ずっと胡散臭い笑みだった人が、その表情はなくなり、純粋に面白いのか、楽しそうな笑い声が響く。船員達はそれに少し拍子抜けした。なんだ、そんな顔も出来るのかと――
「仲間にはなれませんが、航海の間は必ずお役に立ちますよ船長さま。」
再び胡散臭い笑みを貼り付けると、ルフィはムッと眉を寄せる。ルフィが何かを言いかける前に被せるようにしてナマエは言った。
「皆さんが警戒を強めるのも分かりますので、まずはあの敵船を皆さんの為に落として参りましょう。私が使えるかどうかはその目で判断してくれませんか?」
そうしてナマエが指さした先には確かに敵船と思われるサニー号よりも大きめな船が。敵船からは「あれは!麦わらの一味じゃねぇか!」「新世界に入る前に潰しとこうぜ!」等と不穏な雄叫びが聞こえる。ぶるっと震える数名もいるが過半数はその敵船を睨みつけていた。
そしてナマエはニヤリと笑むと、
「彼らの全てのものを、盗んできます」
不敵な発言を残した。