ふと気づいた時には、何故か知らない街にいた。潮の匂いが漂っていて、海が近いところなんだろうなーと分かる。待て待て、これは一体どういう状況だ?
全く理解できない事柄に頭がパンクしそうだった。私、家に帰って、寝てたよな?両親におやすみってきちんと挨拶して、自分の部屋で、自分のベッドで!
何が何だか分からないが、これは悪い夢。そう、とても現実的だけど夢だ。たぶん。
「ねーちゃん、そんなところに突っ立ってどうした?迷子か?」
「え、え、ぁ・・・あの・・・」
ぼーっと道のど真ん中で立ってたのが悪いのか、見知らぬおじさんに声をかけられる。いや、この場合助けてもらうべきなのか?いやいや、まず警察に行くべきかな?とりあえず場所を知りたい。
「あの、ここってどこですか?」
「あ?ここは
「え?私、東京から来たんですけど、行き方、とか・・・」
「とう、きょう・・・?知らねぇ島だなぁ。この島を出たいんってんなら、船に乗らなきゃいけねぇぜ?ログは1日だ。」
待て待て、情報量が多いぞ。いや、そもそも島ってなんだ島って。え、私南国の土地にいるの?ログって何?
とりあえずこの夢を乗り切るには暫くこのファンタジーじみた世界を生きなきゃいけないのか。頑張れ夢の中の私。
相手のおじさんは訝しげにこちらを見ていたが、苦笑いして誤魔化した。なんだか気まずくなりそうだったのでお礼を1つこぼして、そのおじさんから離れた。なんか、街の人も、日本人って感じじゃない気がする。
ナマエはそうすると道端の階段に座り、街を見回してみた。
色々な人がいるなぁ。さすがファンタジー。でもなんか凄いでかい人とかもいるし、明らかに堅気じゃない人いるし、大丈夫かな。これ潮の匂いとか、感触とか、嗅覚まで凄くリアルだけど・・・現実じゃ、ないよね?
ぎゅうと膝を抱えて背を丸める。なんだかとても不安になったのだ。夢なら早く覚めてくれ。
「君、どうしたんだ?迷子かい?」
なんだか先程と似たような質問にナマエは苦笑いで顔を上げた。次はどう切り抜けようか、そう思ったが、相手の着てる服を見て固まった。帽子に'MARINE'と書かれたそれに酷く見覚えがあった。
え、あれ、これ凄く見たことある'制服'・・・
そう制服と分かるくらいにはその出で立ちが記憶を掠めた。
「すぐそこに'海軍'の支部があるから、迷子なら行くかい?」
酷く心配そうな顔をしているその人にナマエは理解した。ここは、ONE PIECEの世界なのか。現実か夢かも分からないその感覚にナマエは頷くことしか出来なかった。