初めまして
「赤羽さん上がっていいわよ」
「ありがとうございます、お先に失礼します」
いつものように仕事を終わらせ帰宅の準備をしお疲れ様です、と頭をさげ会社を後にする。
今日の晩御飯は何にしようかなぁと考えつつ自分のアパートにへと足を進ませ向かう。
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「ただいまー…」
と、誰も返事が帰ってこない家に挨拶をする。
社会人になって早2年。それと同時に一人暮らしを始めている。始めてみて親の有難みが改めて実感する毎日だ。
靴を脱ぎ家に入ったその時だ。
ガサッ
「え?」
寝室から音が聞こえる。
待って、もしかして泥棒?そんなまさか。と思い恐る恐るドアノブに手をかけゆっくりと開く。
「!!誰だてめぇ…」
「男の子…?」
高校生だろうか。制服を着た赤い瞳のクリーム色の髪をした男の子が目を見開きこちらを見ている。
男の子はびっくりしたのか咄嗟に私に飛びかかってくる。
「っ、なんの目的で連れて来やがった?!てめぇ、敵か!!」
「待って待って!!そっちこそどちら様?!暴力反対!」
今にも殴り掛かりそうな彼は私の胸ぐらを掴みかかり手を振りかざそうとする。
やばい、殴られる!!
と、覚悟を決め目を瞑った。
が。
「……!!」
「な、なに…?」
「なんで使えねぇ…!!お前の個性か?!」
彼は私を怒鳴る声で更に掴みかかる。
ま、待ってどうゆこと?彼のいう“個性”とは一体?それに“敵”って…?
「っ、待って…私は君の言う“敵”でもないし“個性”って一体何のこと…っ」
「あァ!!?とぼけんじゃねぇ!!
お前が俺をここに連れてきたんだろーが!目的は一体なんだ!!」
「ま、待ってよ!本当に何がなんだか…っ!!
あーもう!!!」
聞く気がない彼に咄嗟に頭突きをかます。
ゴツン、と。痛いけど私は石頭!!
多少痛さで涙は出るが彼の手は私から離れ痛ってェ!!と赤い瞳がギロりと私を睨みつける。
そんなのもお構いなしに私は息を吸う。
「さっきから話を聞きなさい!!
ここは私の家だし君をここに連れてきた覚えもない!
それに帰ってきて早々音がすると思って来てみたらなぜか君が居たってわけ!君は?」
彼も驚いたのか目を見開き考え始める。
噛み合わないお互いの話に私も状況整理をするのに頭がいっぱいだ。
暫くすると彼は口を開く。
「……ねぇ」
「うん?」
「覚えてねぇって言ってんだろくそババア!!」
「く、くそ…?!」
まだ私こう見えて20歳ですけど?!
わなわなしている間に彼は舌打ちをして歩き始める。
「え…?」
「え、じゃねぇ!!!!……帰る」
「は、はい…?」
そう言い彼は何事もなかったかのように部屋から出ていく。暫くするとガチャっと音が聞こえる。
…家から出て行ったのだろうか。
「…な、何だったの」
私は突然のことに驚き力なく床に座った。
一体彼は誰だったのだろうか。
《初めまして》
「わ、私朝鍵しっかり閉めたよね?
とゆーかどうしてここに…?
……はぁ。考えるのやめよう」
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「(くっそ…わけがわからねぇ。なんであんな所に?)
…Boom!…個性が普通に使える。あの女一体何者ンだ」
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ようこそ異世界へ。
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