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まさかこんな展開になるとは思ってはいなかった。この約9年間居なかったはずの想い人が今自分の近くに。すぐにでも手が届く距離にいる。それだけでも爆豪の心は満たされていく。恥じらうその姿も。それでもと頑張るその姿ですら愛しく感じる。なまえがベッドに入ってくるとすぐに自身の腕の中に引き入れる。案の定なまえは驚いているがそんなのは関係ない。それよりも今しかないこの時間を大事にするほかはないだろう。



「勝己、くん?」


彼女が自分の名を呼ぶだけで嬉しく感じてしまうのは単純なことなのだろうか。心做しかいつもよりよそよそしいなまえに気がつく。



「…何にもしねぇよ」
「そ、そう?」
「嫌だろ。そういうのまだ」
「……うん」
「ならしない」
「ふふ、ありがとう」
「今は、な」
「せめてプロヒーローになって実績あげてきたらね」
「は…?どんだけ待たせんだ!!?」
「ええ…だって出来ちゃったらヒーロー活動できないよ…」
「そしたらNo.1ヒーローの俺の元で面倒みてやるよ」
「すごい自信」
「ッたりめーだ。そん時はクソ面倒見てやるよ」



隣でなまえが笑う。それだけでも心は満たされてゆく。
ーーあぁ。こんなのは今だけか。
今付き合ってもまた離れなければいけないと思うだけで考えるのも止めたくなる。後2年ちょっとで一緒になる。その間にもヒーローになる為の勉強で忙しくなるだろう。



「ね、勝己くん」
「あ?」
「……その、筋肉触ってみてもいい?」
「は、」
「や、さっき見た時すごかったから…
あ、嫌だったらいいよ!」
「……はぁ」
「あ、いいんだ」



起き上がり先程きた服を1枚脱ぐと再び黒いタンクトップ1枚になる。少し薄暗くなった部屋でなまえも起き上がりまた彼の腕を触る。



「すごいね…!ね、ちょっと力入れてみて」
「……」
「っわ、すごいすごい!初めて触ってみた…!」



つーと爆豪の腕の筋肉を触っては感動しているなまえ。
ー触り方がやらしいんだよ……。


「ンなもん、コスチューム着た時とかに見えるだろ」
「あぁ……うちの高校指定のだからあんまり見えないの。今度勝己くんのヒーローコスチューム間近で見てみたい」
「サイドキックになりゃ嫌でも見れるだろ」
「ふふ、そこまで考えてくれてるんだ?」
「まぁな」
「そっかぁ。私も頑張らなきゃ」
「つか、もういいだろ。寝るぞ」
「ちょ…!もっと優しくして!!」




ぐいっと乱暴になまえを引き寄せると一緒に横になる。
なにやら爆豪の方を見てなまえはそわそわしている。



「勝己くん、きす、したい」
「……は」
「や、やっぱ今のなッ、ん」
「……クソが」
「んむっ、だ、って、勝己くんのきす好きで、」
「っ、黙ってろ。抑え効かなくなるだろ」
「へ、なんで、」



それ以上先は言わせないかのようになまえにきすをする。嬉しそうに笑ったなまえも爆豪に応えるように自分からもきすをした。
ーーそういうところがよ。



「……煽ったのお前だからな。逃げんなよ」


なまえにきすをしたかと思えば今度は息を吸おうとした拍子に舌が入ってくる。


「っ、は、んんっ」


なまえも初めてでただそれに対して応えることしかできない。爆豪の熱い舌と自分の舌が交わって息を吸うのがやっとだ。それでもそんなには長く続けれるはずもなく限界になり爆豪の肩を押す。



「暫く練習しねぇとな」
「っ〜、」
「口、あけろ」
「待っ、こんなの知らない」
「黙っとけ。教えこんでやる」
「っ、か、つき、く」
「言っただろ、"逃げんなよ"って」



さっき言った言葉の意味を思い知らされると一気に顔が赤くなる。そんなことは逆効果で彼の本能を逆撫でする。再びきすをするとそれでも応えようとするなまえが可愛くて仕方ない。
ーーもう逃げんなよ。俺を覚えろ。
ふつふつ募る思いと欲が彼の体の中で溢れてくる。2人が寝れたのはいつのことだっただろうか。何度も何度もお互いを確かめ合うかのようにお互いを求めるようにきすをし続けた。






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