01

「なあ」
「……なによ」

「なまえって傑のこと好きなわけ?」

「はい?」
「1回で聞き取れよ」
「いやいや、五条が変なこと言うからでしょ…」



いきなり何を言うんだコイツは。隣にいる五条悟は面白半分に聞いてくる。その割には焦る私の反応を見ては眉間に皺を寄せている。聞いてきたのはそっちだと言うのに。



「傑とはただの同期だし、好きと言ってももちろん友達としての好きだよ?」
「……ふーん」



そう返事をもらうとまだまだ納得していない様子。


「??なによ」


「それ」

「?」
「俺も同期なのに傑だけ名前で呼ぶよな」

「え、」
「……」
「……それってつまり」




いやいやまさか。




「……自分も名前で呼ばれたいと?」



ビクッと五条の肩が揺れる。



「……何も言ってないだろ」
「ふーん、へぇ」

「あ゛???」
「いや、五条にも可愛いところがあるんだなって思って」
「っ、こいつ」

「ごめんごめん。えっと、悟?」
「!」
「え、どうしたの、大丈夫?」
「あーーー、今のは結構来た」
「は、え、大丈夫?」


「なあ、なまえ」
「?うん」


かなりの間を空け深呼吸した悟は真剣に私の目を見て立ち上がる。



「俺と付き合わない?」



「はい?」





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