ただ願う





『暫く仕事で離れる。また連絡する』






たった2日前にいきなりメールで届いた内容だ。そう。焦凍さんと会わなくて3日目になる。たかが3日なのに毎日のように会っていた私にとっては焦凍さんと会わない日が続いて初めて寂しいという感情を捉えてしまった。
ここ最近毎日のように会っていたのだ。寂しいと思えてくるのも仕方ないかもしれない。それと同時に彼はプロヒーローだと改めて認識してしまう。いつどんな状況で怪我をしてもおかしくない立場なんだ。もし彼になにかあったらと考えただけでもぞっとしてしまう。







「また落ち込んでるの?なまえちゃん」
「先輩……」
「例の隣の人?全く。そこまで悩ませるだなんてどんな人なのよ」





休憩中いつものように項垂れていると先輩が気づいて声をかけてくれる。






「……かっこいい、人です」
「へぇ。てことはあれから付き合えたんだ」
「え?」
「前なら慌てふためいてたのに今じゃ答えられるようになってるじゃない」





女の勘なのだろうか。鋭くつく先輩。間違えではないがこうも突かれてしまうと言葉が出ずらい。






「返事でもこなくなっちゃったの?」
「…仕事の都合で遠くに行ってるみたいで連絡が来なくなって3日目なんです。毎日会っていたせいでなんだか寂しくなってしまって、」
「へぇ。仕事なら仕方ないけど寂しいって思うのはまた仕方がないことよね」
「そうなんですよ…!」




『頻繁に出ている敵について今も尚多くのヒーローが……』



「あぁ。これね。世も末よね」
「……大丈夫かなぁ」






どうか無事でいて。
握りしめる携帯に私は祈るだけだった。彼が帰ってきたら思いっきり抱きしめてあげよう。だから無事に帰ってきて欲しい。その日はただただ気が気ではなかった。









《ただ願う》



帰ってきたらお疲れ様って抱きしめるんだ。