「「「ご馳走様でした」」」








ランチラッシュのご飯を食べ終えて片付けにはいる。
今日もランチラッシュのご飯は世界一美味しい。食べ終えていつものように皆は各々解散して共同スペースでソファにくつろいだり自由にする。
私はさっきのことで落ち着くことも出来ずベランダへと1人向かう。








「涼し…」







ベランダを開けると少し涼しい風が頬を掠める。今日も色々あって疲れた、考えることがたくさんだと頭を悩ませていると閉めたはずのドアからガラッと音を立てる。誰が来たのかと見るとそこには。








「……爆豪くん」






なにやらムスッとした爆豪くんがそこに居た。
どうしたのかと聞こうとするとべしっとおでこを何かで叩かれる。








「いたっ」
「…忘れモン」
「もっと普通に渡してよ!!」





ひりひりするおでこを抑えて爆豪くんの顔を見る。渡してくれたのはさっき慌てておいて行った教科書だった。
ふと爆豪くんと目が合うとさっきの出来事が頭をよぎる。だめだ、意識しすぎだ。
不自然に目線を逸らすと中々目を合わせない私に違和感を感じたのか爆豪くんが私を真っ直ぐ見つめる。










「…嫌だったか」
「へ」
「ッチ!!なんでもねえ!!!」
「ええ…」







本当は気づいてる。きっとさっきの出来事に対してだろうか。それにこのまま爆豪くんと気まづくなるのを考えた時私は嫌だと思ってしまう。それならと私は勇気をだして口に出す。








「…嫌って言うかいきなりすぎだよ」
「……」
「っ、おかげで爆豪くんのこと普通に見られない…!」










何を言っているんだ自分。
そう言うつもりではなかったのに自分で言った言葉に驚く。これじゃまるで。







「……意識してるってことか」







そう言う意味に捉えてしまう。
またぼっと顔が赤くなるのが自分でもわかる。それを見て爆豪くんの口が緩むのが見える。







「っ、笑わないで」
「っくく」
「笑わないで。忘れて」





爆豪くんから背を向けて火照った顔を冷やそうと深呼吸をする。
そんな私を放っておくわけがなく爆豪くんが隣にくる。








「なに拗ねてんだ」
「…別に」



「……惚れされるって言っただろ」






馬鹿じゃないの。そう思わせるくらいに爆豪くんはまっすぐで。心臓がうるさいくらいにどきどきしている。
今まで爆豪くんに対してどきどきするなんてことすらなかった私は戸惑う。ただこの感情は変に嫌だとは思わない。そう思う自分にもびっくりするくらいだ。
そう考えてるとと優しく爆豪くんの元に横に引き寄せられたと思いきや頬に爆豪くんの唇の感触がする。







「っ!ななななにして…」
「こっち見ねえからだろ」
「だから普通に呼んで…!」



さっきからなんだというのだ。本当にこんな私のどこがいいのだろうかと思い爆豪くんに問いただしてみる。







「…ねぇ、爆豪くん」
「あ?」
「はぐらかさないでほしいんだけど」
「ンだよ」

「私のどこがいいの?」







ピクリと眉を動かす爆豪くん。







「…チーム演習があっただろ」






そういえばこの前チームで演習をした。そのときは爆豪くんと一緒のチームだった。
あの時は、いがみ合いながら爆豪くんとチームを組んで勝利を得たが途中でハプニングで建物が崩れた記憶がある。





「そン時、崩れた建物から俺を助けただろ」






そうだ。演習訓練中使い続けた個性が建物の侵食をしていたのか突如建物が崩れ落ちる。
案の定建物付近にいた私達は咄嗟に自分たちの個性を使って回避しようとする。

爆豪くんも自分の個性を使い崩れた瓦礫を吹き飛ばすがあまりの多さに防ぎきれず間一髪のところで私の個性で風の刃を作り出しすぐに風圧を利用して瓦礫を薙ぎ払いその場をしのいだ。風圧の強さにたいして疲れてしまうデメリットや演習中に受けた怪我もあり耐えきれなくあえなくその場で倒れリカバリーガールになおしてもらった記憶がある。






「普段から犬猿の仲のくせに俺を助けて。んで、バアサンのとこに行ったら」




『あ、爆豪くん』
『…なんで庇ったりした』
『あー…勝手に体が動いちゃってた』
『は?』
『どうしたの?』
『んな理由でかよ…本当にてめえ頭悪ィな!!』
『なんで私怒られてるの?』
『ッチ!!!顔にまで傷つくってんじゃねえよ!!』
『心配してるのそれ?』
『っるせえ!!!』

『……そんなに負い目に感じてるならさ』
『あ?』
『アイスでもおごってよ』
『はァ?!!』
『私今アイスすっごい食べたい!!別に悪いと思ってないならおごらなくてもいいけど…』
『っ、クッソ女!!!』
『あはは、嘘嘘。
それにさ、今度私が危ない目にあいそうだったら爆豪くんが助けてくれればいいよ』
『あ?』
『お互い様ってことで。お互いヒーロー志望なら助け合ってやってけばいいんじゃない?』
『ンな舐めプ行為いらねぇ』
『そう?1人でやっていけるヒーローなんていないよ』
『……』
『上手く行けばタッグ組めるかもね』
『は』
『じゃあ私バーゲンダッツ買ってもらおっと!』
『あァ!?話勝手に進めんな!!』








「気になって行きゃ、俺にクソみたいな要求しやがって」
「あー、あったねそんなこと。
え、そこからなのもしかして」

「……悪ィかよ」

「っ、そこから!?」






どうやら私の言葉でそこから気になってくれていたらしい。きっかけは単純でも爆豪くんにとっては大きなことだったのかもしれない。







「わかったらもうその疑うのやめろ」
「あ、うん…」
「不満か?」
「違うよ。なんかびっくりしちゃって」
「あ?」
「爆豪くんちゃんと私の事好きなんだなって」
「ったりめぇだろ!!」






くわっと爆豪くんが怒る。考えてみれば怒った時に個性でBoom!と爆破させながら皆には怒るが私には演習からの1件があってからはそれをしなくなった。そんな変化を見つけるだけで本当に好きなんだと驚かせられてしまう。







「っくしょん」
「……戻るか」
「そーだね、なんか冷えてきた」








少し冷えてきた。ベランダから去ろうと思い出口に向かうと後ろから爆豪くんに抱きしめられる。







「ば、爆豪くん?」
「……」
「どうしたの?」

「…ちったァ、俺の事見ろ」







なんでまたこんなにどきどきしてしまうんだろうか。また再び顔に熱が集まる。
爆豪くんも恥ずかしかったのか暫くすると私をはなして「行くぞ」とベランダから去って行く。
私はまた少しの間赤くなった顔を冷やすためその場に残っていた。







《きっかけ》


「ふうかちゃん遅いなぁ。あ、爆豪くん!」
「…あ?」
「ふうかちゃん知らない?」
「……」
「えっ、待って!なんで無視するん!?」