「帰ンぞ」
「あ、うん」







あれからというもの爆豪くんと帰りを一緒に帰る日が続いていた。いつものようにスタスタと廊下に出る爆豪くんの後ろを私は追いかけようとする。
初めはざわついていたクラスも今日もまたかと言わんばかりにこの行動も浸透してきている。







「なあ、お前らさ。付き合っ「アホはこっちにきな」ちょ、耳郎?!」







ずるずる引きずられる上鳴。そう言っている横で爆豪くんは誰かに声をかけられている様子だった。







「っ、くそ離せモブ女!!!」
「少しの時間だけでいいので!!」








様子は見えなかったが廊下に居た爆豪くんが連れ攫われてくのが見えた。声からして女の子だったのがわかる。








「……ふうかいいの?」
「え、なんで」
「あれ多分告白だよ」
「こく、はく?」






あの爆豪くんが?と混乱する。
いや、確かにイケメンの部類なのだろう彼は。さっきまで一緒に帰ると話してたのに告白だと連れ攫われてしまった爆豪くんを思うともやもやして息苦しい。なんなのこれは。嫌だ、そう思えてしまう。












「わ、私先帰る、ね」
「ちょっとふうか!!」








飛び出すように教室から出て行ってしまう。
後ろで響香が呼んでくれる声があるのに。なんでこんなに苦しいんだろう。
考えすぎて気にしてなかった私は曲がり角で誰かにぶつかり足が立ちどまる。







「ご、ごめんなさ」
「……ふうか?」
「轟く、ん」







私の顔も相当難しい顔をしていたのだろうか轟くんが心配そうに私を見ている。







「悪ィ。どっか痛いとこでもあるか…?」
「大丈夫。前見てなくてごめんね」
「いや、俺こそ見えてなかった。悪かった」

「ううん。じゃあ、また明日」
「ふうか」






帰ろうとした所にまた轟くんに声をかけて振り返る。






「爆豪と何かあったか?」
「……ううん。なんでもない」
「何でもない顔してねぇ」
「……そうだとしても轟くんには関係ない」





そう言うつもりじゃなかったのにハッとする。これじゃあただの八つ当たりじゃないか。








「ご、ごめん!これじゃ ただの八つ当たりだよね、ごめんね」
「…爆豪のこと好きなのか?」
「そ、それは」






顔に熱が集まる。もう自分の中では答えが出ているんだと思う。
私は……爆豪くんのことが好きだ。






「顔赤ェ」
「ち、ちかいよ轟くん」






心配した轟くんが私の顔を覗いている。至近距離で。こんなイケメンを間近で見たら心臓なんて余計にドキドキしてしまう。






「……俺ならそんな顔させない」
「と、轟くん…?」













「……何してんだ半分野郎」
「っわ」






後ろに引かれたと思えばあからさまに不機嫌そうな爆豪くんの声が聞こえる。
振り向くと爆豪くんは何も言葉を交わさず私をその場から連れ去って行ってしまった。












《恋というもの》





「っ、爆豪くん腕」
「……」
「ね、痛い」
「……」
「(あ、緩んでくれた。返事してくれないけど…)」