「よし」









夕ご飯も作った。掃除もできた。洗濯も。家のことは色々とできたつもりだ。
すぐにお風呂も入れれるように準備はできてる!
後は爆豪くんの帰りを待つのみ。…だが、時計は既に20時を過ぎている。そういえば爆豪くんの仕事終わりって何時頃になるんだろう。
ヒーローな彼も忙しいんだろう。爆豪くんに対してあまり知らないことが多いことに気づく。今度色々教えてもらおう。
そんなことを考えてソファにいるとインターホンがなって慌ててカメラを確認する。







「……?」








『あ、はるさん居る?』
『怪しいもンじゃないから安心してくれ』







そこには緑谷さんと赤髪の人の姿が。
いきなりの来客でびっくりして咄嗟にドアを開ける。








「あれ、かっちゃんまだ帰ってきてない?」
「あ、まだです」
「忙しいな爆豪。あ、俺は切島鋭児郎っス。爆豪とは高校からの付き合いなんです」







高校からの爆豪の友達となると付き合いは相当長い。きっと爆豪くんが気を許せる友人なのだろう。それに赤髪の…切島さんの声は病院にいる時に同じ声を聞いた気がする。
私が言うのもおかしいけど「中にどうぞ」と二人をお招きする。








「さっきかっちゃんにも連絡いれたんだけど返事が帰ってこなくて…はるさんの様子も気になってたし『様子見に行くね』ってメッセージ送ってたんだ」
「あ、そういえば携帯…」








爆豪くんから貰ってた携帯を見てみると不在着信が何件か爆豪くんから入っている。
びっくりしてかけ直そうとすると携帯のバイブ音がまた鳴る。
表示名は“爆豪”と表示されている。慌ててなっている電話に出て耳元に当てる。






「も、もしもし」
「っ!!今なにして」
「かっちゃんから?」
「‥クソデク共来てンのか」






不機嫌そうな爆豪くんの声が聞こえると隣にいる緑谷さんが電話代わってと手招きする。






「あ、かっちゃん?」
「っ、おい、なんでてめェが出る…」
「そんなことより早く帰ってこないとはるさんともっと仲良くなっちゃうよ?」







代わってもらった横からはそんな話が聞こえてすぐに電話が切れたのだろうか緑谷さんは切れた携帯をぱちくり見つめる。すると私の携帯をいじり始める。








「あはは。かっちゃんってば本当にはるさんのことになるとムキになるね。
あ、ごめん。僕の番号追加させて貰ったよ」
「あ!緑谷ズリィ!!俺のも」








そういう切島さんも私の携帯に番号を登録してよろしくと笑顔で携帯を返してくれる。
渡された画面を見ると“緑谷出久”と“切島鋭児郎”と2人の名前が登録されている。






「ふふ、ありがとうございます」
「何かあったらいつでも連絡して大丈夫だからね」
「爆豪に泣かされたら言ってください!俺が改心させてやります」
「切島くん物騒だから!!」







あははと皆で笑いあって飲み物をいれて爆豪くんをみんなで待つことにした。






「そういやはるさん」
「?切島さん。さっきから思ってたんですけど敬語じゃなくて大丈夫ですよ?」
「じゃあ、はるさんも敬語ダメっスよ」
「ふふ、うん、わかった。それで、どうしたの?」



「……爆豪とは付き合ってたりするのか?」
「ッブ!!っけほ、切島くん!!失礼だよ!!」





お茶を飲んでた緑谷さんが吹き出す。
慌てて拭くものを持ってくるが私の内心は心臓がばくばくだ。よりによってその話とは。呼吸を整えてから答える。







「爆豪くんとは付き合ってないよ?」
「…確か爆豪の高校の時に助けて貰ってそこから今に至るまで会えてなかったんだよな」
「うん。だから特別な感情はないよ」









そう。ないんだ。爆豪くんにだってきっとこの世界ででの恋人の方がいいのだろう。仮に結ばれたとしても私はまた帰らなければいけないのだから。







「…はるさん俺が悪かった!!」
「え」
「いきなり無神経な話して気分悪かったよな」
「ううん。大丈夫!男の人も恋バナみたいな話するんだってびっくりしちゃった!」
「ま、まあな」
「……後で僕からも切島くん叱っておくね」
「気にしないでください本当に!!」







変な空気を変えるようにテレビをつける。そこには今日のニュースでヒーローが特集されている。







「ーー本日18時に起きた敵による騒動をヒーロー爆心地が・・」







「お、爆豪もしかしてこれで帰り遅いんか?」
「そうかもね。最近また敵が活動的だもんね」
「すごい……」







改めて見ると個性を使って街の人々を助けるヒーローの存在や爆豪くんには感服させられる。本当にヒーローなんだ。かっこいい。素直にそう思う。








「そういや、はるさんの個性って…」
「個性の無効化だね。僕も使おうとしたけど使うことができなかった」
「まだ使えてるなんて実感はないんですけど…」
「うお!?まじでできねェ!!」
「うーん、条件とかってあるんですか?」
「そうだね…。中には条件がある人もいるよ。はるさんの場合は意識と裏腹に出ちゃうのかもしれないね」







考えれば考えるほど分からなくなる。それよりもなんで私に個性なんて宿っているのかも不思議だ。
色々なことを考えていたら難しい顔をしていたんだろう。気づけば私の目の前には緑谷さんがいた。








「ち、近いです緑谷さん!」
「ごめんごめん。呼んでも返事ないから大丈夫かなぁって」
「…緑谷、爆豪に見られたら殺されるぞ」
「あはは、それ洒落にならな「…俺がなんだとクソデク」









その場の皆の顔色が一気に引いてゆく。
そこにはごきごきと首を鳴らし怒っている爆豪くんがいた。











《来客》





「ひっ」
「……離れろ」
「(爆豪怒ってんなあ)」