あの後爆豪くんは寝てしまい私も釣られるように寝てしまった。
彼の気持ちは本物で嬉しくて。それと同時に不安に狩られてしまう私がいて嫌になる。それでも私は爆豪くんと居ることを選んだ。
目が覚めて目を開けると爆豪くんの寝顔が見える。その姿ですら愛おしくてたまらなくなる。
まだ外が明るくなってきたところなのかな。腕枕をしてくれている爆豪の顔を見て二度寝をしようとはかる。暫くすると頭を撫でられる感覚があり目を開けてみる。






「……おはよ」
「……おう」





爆豪くんが起きていた。昨晩のことを思い出すと恥ずかしくなる。夢なのかとも疑いたくなる。





「……」






ぼーっと眺めていると爆豪くんが私の唇にキスをする。顔が見えたと思えば悪そうな顔をして私を見つめる。夢ではないと確認させられては顔に熱が集まって赤くさせた私を見ては満足気に笑う爆豪くん。






「赤ェぞ」
「…ゆ、夢じゃないんだ」
「あァ?夢がよかったんか?」
「んーん、なんか不思議」




不思議と笑みがでてくると爆豪くんの胸元に顔を寄せる。





「っ、あんま煽んな」
「?なんで」
「……これでも我慢してンだよ」






はぁ、と溜息が聞こえてくる。そんな言葉が爆豪くんから出てくるとは思わずびっくりして少し距離をとってしまう。





「……ほォ。それくらいは考えられんだな」
「そ、そりゃね。でもまだ応えれないから!」
「そーかよ。つか、離れんな」



ぐいっと離れた距離をまた縮められては再び爆豪くんの腕の中にはいる。




「……爆豪くんって意外と甘やかしてくれる?」
「あ?調子のンな」
「ふふ、はいはい」




文句はいいつつ私を離しやしない爆豪くん。素直じゃないのはいつも通りのようだ。




「今日仕事は?」
「呼び出しない限りは休みだ」
「わぁ、ヒーローも大変だ…」




きっと休みらしい休みもないのだろうと思うと大変な職業だと思う。






「眠ぃ」
「ふふ、もうちょっと寝てていいよ、携帯鳴ってたら起こすよ」




起き上がろうとする私を見ては再びベッドに引き入れられて驚く。






「まだいいだろ」




そう言うとまた私を腕の中に入れて目を閉じ始める爆豪くん。まだここに居ろとのことだ。中々爆豪くんの寝顔をまじまじと見る機会が無い私はつい爆豪くんの顔をじーっと覗き込む。





「……ねぇ、爆豪くん」
「…ンだよ」
「…やっぱり髪触っててもいい?」
「…………ッチ」






すごい間はあったが触ってもいいと言わんばかりにまた目を閉じて私に気を許してくれる爆豪くん。本当に甘やかしてくれていると思うと笑みが出る。爆豪くんの髪を優しく撫でると相変わらず撫で心地のいい髪が私の手にあたる。

ふと爆豪から文句がなくなったと思えばすーすーと規則正しい寝息が聞こえてくる。
こんなことでも気持ちよく思って寝てくれたのかな。可愛いな爆豪くん。






「……好きだよ、爆豪くん」





起きている彼には到底言えない言葉だ。だが今は彼は寝ている。寝ているのをいい事に言葉にして言う。真っ直ぐで私のヒーローの爆豪くんは私にとっては最早最高最愛のヒーローだ。口にしないけど。
いい気分になっていると爆豪くんから背中を向けるように反対になり腕枕をして降ろされている爆豪くんの手を触る。ごつごつとした男の人の手だ。うっすらとした傷が見えるのも爆豪くんが努力をしてきた証拠だろう。





「……はる」
「っひ」



寝ているはずの彼が私の耳元で名前を呼ぶ。反射的に情けない声が共に出てきてしまいさっきの優越な気分はなくなる。




「お、起きてたの?」
「告白してた辺りからな」
「それ全く寝てないじゃんか!!」
「あァ??どうせだったら起きてる時にしろや」




怒ってるのか耳に甘噛みをしてくる爆豪くん。普通に痛い。





「いたっ、ん?!あ、や、それ、や…っだ」




噛んできたのかと思えば舌が耳を這う。温かい爆豪くんの舌が耳をなぞって。それが変で嫌になる。




「爆豪くん!」
「……」
「っ、やめ」



気づけば後ろから何か硬いものが当たっている感触があり一気に血の気がひく。




「ば、爆豪くん?なにかあたって」
「……ッチ」
「……嘘でしょ?」
「つーか、好きな女とひとつ屋根の下で我慢しろっていう方がきちィんだわ!!!舐めてんのか!!クソ女!!」
「う、そんなこと言われても」
「俺だってもうガキじゃねえんだよ」
「……おっしゃる通りで」
「…はぁ、我慢すんのやめだ」




ギラギラと闘志を燃やしはじめた爆豪くんの声がする。まだそんなことされても応えられないと言っているのに。この後見事に彼に奪われることになるのだがまたそれは別の話だ。






《まったり》