「よしっ」
その後爆豪くんと一緒にスーツや筆記用具等必要なものは揃えてもらいほんのり化粧を施す。1日でも早く仕事に慣れて爆豪くんにお金を返さなきゃいけないなと心に誓う。
「お待たせ〜爆豪くん」
「………ンで、化粧してんだ」
「え?社会人として当然でしょ…?」
「……ッチ」
すると力強く舌打ちが聞こえてくる。まさかすっぴんで行くわけにもいかない。約束通り爆豪くんが送り迎えは出来る時は一緒。そんな約束をこなしてくれる。道もわからない私にはとても心強いことだ。
「おい」
「ん?」
振り向くと爆豪くんにキスをされる。慌てて口を抑えて離れると爆豪くんは面白そうに笑った。
「いってきますの挨拶だろ、こんなの」
「そ、そんなの聞いてない…!!」
「これからやる」
「え」
「こんくらいいいだろ」
「う、は、はい…」
これとはいってきますのちゅーのことだろうか。まさか爆豪くんからそんな提案があるとは思ってもいなかった。きっと爆豪くんにとっても一日一日を大事にしていきたいんだろう。私もまたいつの日の爆豪くんかのようにいつ居なくなるのかわからない身だ。
「行くぞ」
「はーい。ね、手繋いでもいい?」
「……好きにしろ」
久々の外の空気を吸うと大好きな爆豪くんと一緒に手を繋いで出てゆく。こんな些細なことですら嬉しいと感じてしまう。
「爆豪くん手あったかいね」
「そーかよ」
「前より大きくなったね」
「そりゃそうだろ」
「ふふ、行こっか」
聞くと緑谷さんの事務所は爆豪くんの職場への通り道だそうだ。
少し不安もあるが楽しみもある。外の空気を感じて私は爆豪くんと一緒に足を運ばせた。
《いってきます》
「爆豪くんが帽子って新鮮」
「あ?マスコミ防止だ」
「……やっぱり離れて歩こう」
「あ?なんのために早朝から歩いてンだ。
おい、こっちだ」
「わぁ、本当に知らない場所だ」
「迷子になんなよ」
「爆豪くん一緒だから大丈夫だね」
「……覚える気あんのかよ」
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