※爆豪side
あれからはると買い物をした後飯を食った。女の買い物の割には量も少なく俺が向こうでお金が使えなかったようにはるもここではお金が使えないみたいだ。そのせいで遠慮でもしてんのかと思ったがまた暫くしたら買い物に連れてってやろうと思った。
家に帰り風呂に入るとようやく一息が付ける。
変わらない5年前を思い出すせいか懐かしさと愛しさが俺を支配する。
風呂に入り着替えた俺達は寝る体勢に入っていた。
「爆豪くんおやすみなさい」
「……おー」
電気を消そうとするがなぜかその場に突っ立っているはるが気になる。様子がおかしいと思い見てみると下を俯いている。具合でも悪ィんか?
「……あの」
「あ?」
「きょ、今日だけ一緒に寝ない?」
「……は?」
その言葉に絶句する。
ンなもん、生殺しじゃねえか。
「…だめ?」
「その意味わかってんのか」
「ちが!そうゆうのじゃなくて!
……ただ、色々考えすぎちゃって寝れなさそうだから、」
そう言うはるの顔は険しい。
…そういや、俺も初日は大して寝れなかったし不安になったりもした。ほんの少しだけな。
相当考え込んでしまったのか俺の反応を見て「やっぱりいいよ」とはるは言う。相変わらず寂しげなコイツの後ろ姿に弱いのか思わず声をかけてしまう。
「……今日だけだ」
「え」
「俺の気が変わる前にさっさと電気消すぞ!!!」
「あ、うん!!」
本当にバカか俺は。好きで付き合ってもない女と自ら同じ布団に入ることを選んだ。クッソイラつく。
いつもみたいにベッドに向かうと今日ははるの姿がいる。それだけでも今日は理性と戦うことになると悟らせられる。
そんな悶々とした気持ちを凪払おうとはるに声をかける。
「……さっさと寝ろ」
そう声をかけると部屋の電気を消して背中を向けベッドに入り込む。
いつもない温もりと久々のはるが横にいる。それだけでも5年間探し続けた俺の胸は苦しくなる一方だ。
「爆豪くん?」
「……まだ寝てないんかよ」
「ふふ、まだ寝れないと思うよ。入ったばっかだし」
「そーかよ」
「……爆豪くん覚えてくれててありがとう」
そりゃどういう意味だ。約束に対してかそれとも自分を覚えてくれててか。
どちらにせよ俺はこいつのことを1度も忘れたことはねえ。
「…5年間忘れたことねぇよ。お前みたいなヤツ」
「なにそれ。それ、いい意味だと思っててもいい?」
「っは。勝手にしろ」
思わず口角が上がってしまう。
相変わらずこの馬鹿さ加減には笑っちまう。
「……爆豪くん」
「…今度はなんだよ」
「彼女とかいる?」
「あ?」
「や、もしかしたらと思って。
そうだとしたら私今すごいおこがましいことしてると思って…」
「…」
「成り行きでこうなっちゃったけどもしいるなら私緑谷さんとこに行った方がいいのかなって」
「あ!?」
「な、なんで怒るの!」
「っんで、デクの名前が出てくンだよ!!」
クソデクの名前が出てきて咄嗟に体を起き上がらせて怒鳴りつける。
ッチ、なんでよりによってデクの名前が出てくンだ?はるから他のヤツの名前が出てくるだけで虫唾が走る。つーか、何勘違いしてんだこいつ。
「ンなもんいねえよ」
寝る前に無駄な消費をしたと頭を掻きながら再び背中を向けてベッドに入る。つーか。
「ヒーロー活動が忙しくて作る時間もねぇしここに住むのも俺がいいって言ったんだ。はるが気にするとこじゃねーし、クソデクの名前も出すなイラつく」
「…緑谷さんと仲悪いの?」
「ッチ、さっさと寝ろ。クソ女」
俺の心を掻き乱すのは間違いなくコイツしかいねえと感じられるくらいはるには振り回される。
そういや、さっきまでうるさかったはるの声が聞こえない寝たか。
「はる」
呼んでも返事はない。
コイツなりに色々と気を張って疲れた一日になったんだろ。寝ているはるにバレないようにおでこにキスをする。
「……」
最後は結局はるに好きだと伝えれなく俺は今も後悔をしている。いや、コイツももしかして同じ気持ちなんじゃないかと考えた時もあった。大人になって時間が経った今は違くなってるかもしれねえが俺は今度こそ後悔しないようにコイツに言うつもりだ。またこれが最後になろうとも。
……ただ、俺とはるがまた会えたのも何かが関係しているはずだ。
時間がなくなる前に今度こそ探し出さなきゃいけねぇ。
「ん、ばく、ごーくん」
「!…酷ェ声」
酷く唸るはるにびっくりする。頭を撫でてやると不思議とはるの寝息は治まってゆく。
今日ぐらいいいかと俺ははるを抱き寄せて寝始める。
起きてから騒ぐのは目に見えてるがそれでも止めるということはしなかった。
男と寝るってことに警戒をもってほしいもんだ。
《目覚め》
「っ!!(なんで爆豪くんが横に)」
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