以前にもこんなことがあった気がする。
目が覚めて目に入ったのは爆豪くんの胸と頭には爆豪くんの腕枕をされているのか自分の頭が爆豪くんの腕に乗っているような感覚が。
すぐにそれは爆豪くんの腕枕と抱きしめられてるものだとわかりびっくりして遠ざかろうとするがその腕はがっちりと私を捕らえている。







「……」










パニックになるものの身動きが取れない私は爆豪くんの体つきに目がいってしまう。タンクトップで寝ているため腕枕ごしに硬い筋肉の感触や男の人ならではの体つきがダイレクトにわかる。

それを見ては爆豪くんの努力を感じる。
…爆豪くんにも会えなかったら今頃私はどうなっていたんだろうと変なことを考えてしまう。考えただけでも怖いものだ。
そう思うとこの腕の中は今の私には安心出来てしまう温もりだ。
そういえば今は何時だろう。時計の場所をまだ把握出来ていない私は見渡そうとするが爆豪くんに抱きしめられており確認することができない。
横を向こうとすることも出来ず万事休す状態だ。








「爆豪くん」








ひとまず声をかけて見るものの声をかけても返事がない。
疲れてるんだろうな爆豪くん。せめて朝食ぐらい作ってあげたいけどこれでは抜け出せない。
降参をして隣で寝ている爆豪くんに目を向ける。




「(口は悪いけど見た目はかっこいいんだよなぁ。もう少し落ち着いてくれればいいんだけど)」









そんなことを思いながら爆豪くんの髪を撫でる。起きていたら絶対に出来ないことだ。










「(この髪心地やっぱり癖になる)」








少しの間爆豪くんの髪を堪能しているとその腕は突如掴まれる。









「っ、お、おはよう」
「…何してんだてめえ」







爆豪様のターンがきたと言わんばかりに爆豪くんはわざと私の耳元で第一声を放つ。耳が弱い私はそれに反応してしまう。









「っ、ん、ごめんね」
「……」
「え、爆豪くん?」








黙り込んだ爆豪くんに疑心していると今度は耳を噛まれ舐められる。
知らない感触に声を抑えるが抑えきれず少し声が出てしまう。





「ふ、ちょ、やめ、て…っ」
「……」
「っ、ごめ」
「っは。これに懲りたら二度と触んな」
「やだ!」
「…」
「っあ、ん、待って、善処するからっ」









爆豪くんにしてやられた。私の楽しみである撫でるを奪われた…!
これ以上反論するとさらに進みそうだったため敢え無く観念した。それに善処するという言葉は大事だ。全くしないとは言っていない。







「エロい声出してんなよ朝から」
「誰のせいなのよ…」
「あァ?誰から始まったんだ?はるチャン」
「やめてそれ」






こういう所がなければ素直に可愛いと思うのに。だなんて本人には言えないけど。









「あ、爆豪くん」
「あ?」
「今日って仕事?」
「…あー、そろそろ準備しねぇと」
「お姉さんがご飯を作ってあげよう」
「……辛ェのがいい」
「ふふ、それは変わってないんだね」
「じゃねーと食った気がしねぇだろ」






そろそろ起きようと思い起き上がろうとすると1度爆豪くんに強く抱き締められる。







「っ、爆豪くん?」
「……」
「くるしい、死んじゃう」
「っは、抱きしめ殺したるわ」
「爆豪くんが言うと冗談に聞こえない」






じたばたしていると爆豪くんも気が済んだのか私を離して起き上がる。
それを見て私も起きあがり顔を洗いに向かう。昨日買ってもらった洗顔とタオルを有難く使わせてもらってクリームをぬりキッチンへと向かう。
冷蔵庫を見ると食材が豊富に詰まっている。さすが爆豪くん…。





「簡単なモンでいい」
「よし!じゃあ味噌汁!」
「…まだ飲んでんのか」
「?うん。私が唯一爆豪くんに教えてもらって作れるものだから」
「…はあ。暫くは一緒に作ンぞ」
「え、なんで」








呆れる爆豪くん。それでも心做しか隣に立った爆豪くんの表情が嬉しそうに見えて私もなんだか嬉しくなる。
久しぶりに横に立つ爆豪くんの姿に懐かしい感覚がする。爆豪くんに教わりながら私達は朝食を作った。















《おはよう》

「本ッ当に覚えてんの味噌汁だけじゃねえか」
「ちゃんと教えて貰った料理は作れるよ?」
「……」
「……また教えて?」
「……はあ」
「それにこのままじゃ嫁の貰い手がいなくなってしまう…」
「そん時は貰ってやるわ」
「哀れみがひどい!!」