真っ暗な闇の中。
椅子に座る俺の四肢は固定され動けない。
そこに、鋸を持った彼が現れる。
しかしその刃は酷く平坦で、まるで子どもが使う包丁のようだった。
彼は俺の腕をするりと撫でると、そこにギリギリと爪を突き立ててきた。
後もう少しで血が出るのではと眺めていたら、彼が痛くはないかと問うてきた。
首を縦に降る。
本来なら痛みに涙を滲ませるところだが、不思議なことに何も感じなかった。
そういえば、撫でられたときも。
痛みがないならそれで良いと呟き、彼は鋸を構えた。
もしかして、薬でも盛られてい。
そう考えて間もなく俺の左腕はふわりと切り取られていた。
ぽすんと落ちる左腕。